本ページには広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。
「海外FXを使っている自分も、罰せられるのでは」と不安になっていませんか。ネットでは「海外業者は無登録だから危ない」「無登録でも使うのは違法じゃない」の両方を見かけます。そこで、無登録営業の罰則が誰に向いているかを、法律の決まりで確かめます。
結論を先に書きます。無登録営業の罰則は、10年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方です(2026年8月12日から)。向いているのは業者で、使っている人を罰する条文は、登録と罰則のしくみの中にありません。ただし、罰せられないことと、守られていることは別です。
法律は誰に登録を求めている?

答えは業者です。FXなどのルールを決めた法律(金融商品取引法)に、次の一文があります。
金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。
金融商品取引法
これで全文です。「行うことができない」と言われているのは、金融商品取引業をしようとする側、つまり業者です。
「金融商品取引業」は、法律で決められた金融の仕事のことです。その中に、デリバティブ取引を仕事として(法律の言葉では「業として」)行うことが入ります。言葉の意味はデリバティブ取引の定義の記事で読みました。
海外FXのように、海外の業者と1対1でする取引を「相対取引」といいます。これは、デリバティブ取引の中の「店頭デリバティブ取引」の形です。
やること:登録が要るのは、金融商品取引業を行う業者の側だと押さえておく。
「無登録業者」とはどんな業者?

「無登録業者」という言葉も、法律で意味が決まっています。登録を受けないで、金融商品取引業を行う者のことです。法律の文では、その業を「第一種」「第二種」という種類の名前で書いています。
ポイントは「行う」のひと言です。登録がないこと自体ではなく、登録がないのに業を行っていることが条件です。
仮の例で2つの会社を並べると、こうなります。
- 登録がなく、金融商品取引業もしていない会社 → 「無登録業者」には当たらない
- 登録がないのに、金融商品取引業をしている会社 → 「無登録業者」
やること:「無登録業者」と聞いたら、「登録がないのに営業している業者」のことだと読む。
無登録で営業すると罰則はどれくらい?

罰則は、登録を受けないで金融商品取引業を行った者に向いています。重さは10年以下の拘禁刑か、1,000万円以下の罰金です。その両方を科すこと(併科)もできます。
拘禁刑は、刑務所などに入れられる刑です。「懲役」ではありません。
2025年6月1日施行の改正刑法で、懲役と禁錮は拘禁刑の1つにまとめられました。この法律の刑も、それに合わせて書き換わっています。この点は『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の記事でも触れました。
この重さは、2026年8月12日施行の改正で引き上げられたものです。それまでは「5年以下の拘禁刑か、500万円以下の罰金」でした。
法人(会社など)の仕事として行われたときは、実際に行った人だけではありません。法人にも7億円以下の罰金があります。改正前は5億円以下でした。
| 罰則 | 改正前 | 2026年8月12日から |
|---|---|---|
| 拘禁刑 | 5年以下 | 10年以下 |
| 罰金 | 500万円以下 | 1,000万円以下 |
| 法人の罰金 | 5億円以下 | 7億円以下 |
罰則の文が罰するのは「当該違反行為をした者」です。登録なしで業を行った者、つまり業者の側です。
やること:「5年以下・500万円以下」や「懲役」と書かれた説明を見たら、いつの決まりの話かを確かめる。
使っている人を罰する決まりはある?

ここまで見た3つの決まりの中には、ありません。3つを並べると、どれも同じ相手を向いています。
| 決まり | 中身 | 向いている相手 |
|---|---|---|
| 登録の決まり | 登録を受けた者でなければ、金融商品取引業を行えない | 業者 |
| 「無登録業者」の意味 | 登録を受けないで業を行う者 | 業者 |
| 罰則 | 10年以下の拘禁刑・1,000万円以下の罰金・その両方 | 業者 |
3つとも、業を「行う」側を向いています。法律の言葉では、決まりが向いている相手を「名宛人」といいます。取引の相手になるお客さん、つまり使っている人を罰する決まりは、この3つの中にはありません。
仮の例で、登録のない海外の業者に10万円を入れて、取引している人がいるとします。3つの決まりが向いているのは、登録なしで営業した業者の側です。10万円を入れたその人を罰する条文は、この3つの中にありません。
なお、特定の業者が実際にこの決まりに反しているかどうかは、この記事では当てはめていません。金融庁の一覧に載っていることの意味は、金融庁の無登録業者一覧の記事で扱っています。
やること:「罰する決まりがない」と「何も問題がない」を、分けて考える(次の2つの節で見ます)。
金融庁はどう説明している?

金融庁は「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」というページで、こう書いています。
海外所在業者であったとしても、日本の居住者のために又は日本の居住者を相手方として金融商品取引を業として行う場合は、金融商品取引業の登録……が必要です
金融庁「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」
やさしく言うと、会社が海外にあっても、登録が必要です。日本に住む人のため、または日本に住む人を相手に、取引を仕事として行う場合です。登録の決まりは、業者がどこの国にあるかでは外れない、という説明です。
同じページは「日本で登録を受けずに金融商品取引業を行うことは違法」とも書いています。ただし、使う人の側が違法かどうかは、書いていません。決まりの向きと金融庁の説明は、ここで一致しています。
やること:金融庁のページ「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」を、一度自分で読んでおく。
罰せられなければ安心なの?

そうではありません。ここまでを「だから安心」と読むのは、逆です。「使う人は罰せられない」というのは、使う人が守られているという意味ではありません。
登録の制度は、業者に向けたいくつかのしくみとセットで動いています。無登録業者との取引は、そのしくみの外で行われます。しくみの中身は、別の記事で条文から読みました。
- 監督(業者をチェックするしくみ)
- 行為規制(業者のやり方の決まり):国内のレバレッジ上限は条文のどこにあるか、国内FXにゼロカットが無い理由
- 分別管理(お客さんのお金を、業者のお金と分けて管理すること):FXの信託保全は法律のどこにあるか
- 紛争解決(トラブルを持ち込める窓口):FXのトラブルはどこへ持ち込めるか
- 勧誘の規制(誘い方の決まり):国内で禁じられている不招請勧誘
何かが起きたとき、日本の当局に「登録業者としての」対応を求めることはできません。破綻したときの補償については、投資者保護基金はFXを補償しないにまとめました。
加えて、税金の区分も変わります(海外業者の総合課税の記事)。規約の中身を判断するのは、業者の裁量と、業者がある国のルールです。たとえばマイナス残高リセットが適用されない場合も、そうです。
「違法ではない」は入口の話で、「保護がない」はその先ずっと続く話です。このサイトが取引条件と規約を条文まで読んでいるのは、その「先」を自分で確かめるしかないからです。
やること:使う前に、トラブルの持ち込み先・お金の分け方・税金の区分を、上の記事で確かめておく。
まとめ

- 法律で登録を求められているのは、金融商品取引業を行う業者
- 「無登録業者」=登録を受けないで業を行っている者。登録がないだけでは当たらない
- 罰則は10年以下の拘禁刑・1,000万円以下の罰金・その両方(2026年8月12日から。法人は7億円以下。それまでは5年以下・500万円以下、法人5億円以下)
- 3つの決まりは、どれも業者を向いている。使う人を罰する決まりは、この3つの中にない
- 金融庁=会社が海外にあっても、日本に住む人を相手に業として行うなら登録が必要。使う人の側の違法性は書いていない
- 「違法ではない」と「保護されている」は別。登録の制度の保護は、無登録業者との取引に及ばない
【PR】
国内の登録業者を併用する、という選び方
このサイトは海外業者の取引条件を扱っていますが、国内の登録業者を併用するという選択もあります。国税庁タックスアンサー No.1521 の原則では、第一種金融商品取引業者または登録金融機関との店頭デリバティブ取引は申告分離課税で、損失を翌年以後3年に繰り越せます。この線がどこに引かれているかは総合課税の記事に書きました。
- MATRIX TRADER(JFX株式会社/関東財務局長(金商)第238号・第一種金融商品取引業)

- 【DMM FX】(株式会社DMM.com証券/関東財務局長(金商)第1629号・第一種および第二種金融商品取引業)

⚠ 実際にどちらの課税区分になるかは、取引の相手方が第一種金融商品取引業者または登録金融機関かどうかで決まります。上に書いた2社の登録番号と業務の種別は、金融庁「金融商品取引業者登録一覧」(令和8年7月31日現在)で確認しました。登録は取り消されることも、業務の種別が変わることもあります。最新は同じ一覧でご自身で確かめてください。また、国内業者には金融庁の規制により個人口座の最大レバレッジに上限があります。
当サイトはA8.netのアフィリエイトプログラムに参加しており、上記リンク経由の口座開設・取引で当サイトに報酬が発生します。本記事は特定の業者の利用を勧誘するものではありません。取引条件・税制は変更されることがあります。
XMの株式CFDを試すなら
個別株CFDはMT5口座のみで取引できます。口座開設・維持は無料です。
当サイトはXMTradingのアフィリエイトプログラムに参加しており、上記リンク経由の口座開設で当サイトに報酬が発生します。
XMTradingはTradexfin Limitedのブランドで、セーシェル金融サービス庁の規制を受けており、日本の金融庁の登録は受けていません(金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」に掲載)。デリバティブ取引には投資元金を失うリスクがあります。
出典・注記
- 金融商品取引法 第29条、第171条の2第1項、第197条第1項(柱書・第4号の3)、第207条第1項第1号は、e-Gov法令APIで取得した2026年8月12日施行の版(2026年9月28日取得)。改正前の第197条の2第1項第10号の4と第207条第1項第2号は、2026年8月11日時点の版による
- 本文と条文の対応:登録の決まり=金融商品取引法29条/「無登録業者」の意味=171条の2第1項(かっこ書き。第28条第1項の第一種金融商品取引業・同条第2項の第二種金融商品取引業を、29条に違反して登録を受けないで行う者)/罰則=197条1項(柱書・4号の3)/法人の罰金=207条1項1号/改正前の罰則=197条の2第1項10号の4、207条1項2号
- 2026年9月28日訂正:公開時は罰則を「197条の2第4号の3・5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金」と書いていました。2026年8月12日施行の条文に合わせて、条番号・法定刑と図版を直しました
- 金融庁「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」
- 「懲役」から「拘禁刑」への改正は、2025年6月1日施行の改正刑法による
- 特定の業者が29条違反に当たるかどうかの当てはめは、本記事では行っていません。金融庁の一覧への掲載事実は別記事で扱います
- 文中の10万円と、2つの会社の例は、説明のための仮の例です
本記事は法令の一般的な解説であり、法的助言や投資判断、特定の業者の利用を勧誘するものではありません。法令の解釈・適用については、必要に応じて専門家にご確認ください。記載は執筆時点の情報に基づきます。
