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ゼロカットとは、口座の残高がマイナスになった分を請求されないしくみです。XMTradingでは「マイナス残高リセット」と呼ばれています。「これがあるから、最悪でも入金額まで」という理解は、半分は正しく、半分は危険です。
結論を先に書きます。守られるのは、マイナスになった分を請求されないことだけです。入れたお金は、全部なくなることがあります。
たとえば入金10万円の口座が、マイナス3万円になったとします(仮の例)。リセットが適用されれば3万円は請求されませんが、入れた10万円は戻りません。
ゼロカットとは?XMでは何と呼ぶ?

XMTradingの公式サイトでは、このしくみを「マイナス残高リセット」と呼んでいます。説明はこうです。
常に保護された環境で取引。マイナス残高リセットで、入金額以上の損失はなし。
この一文を、そのまま正確に読みます。書いてあるのは「入金額以上の損失はない」です。書いていないのは「入金額を失わない」です。
このしくみが働くのは、相場が急に動いた場面です。決済(取引を終えて損益を決めること)が間に合わず、損失が証拠金を超えることがあります。証拠金は、取引のために口座に入れたお金です。
そうなると、口座の残高はマイナスになります。この「マイナス分」が請求されない。これが、保証されている範囲です。
この意味は小さくありません。証拠金取引で本当に怖いのは、入れた以上の借金を負うことだからです。思ってもいない急な値動きで、残高を大きく超える損失が出る場面は、実際にあります。
その一点については、このしくみが壁になります。
ただし、契約の相手は Tradexfin Limited という会社です。その英文の規約には、「疑い」があれば適用しないことがある、と書かれています。原文はマイナス残高リセットの条件で読みました。
やること:「入金額以上の損失はなし」を、「入金額は守られる」と読みかえない。
入金10万円なら最悪いくら失う?

数字で見てみます。口座に10万円を入れて取引したとします(仮の例)。急な値動きで決済が間に合わず、残高がマイナス3万円になりました。
| お金 | 金額(仮の例) | どうなる? |
|---|---|---|
| マイナスになった分 | 3万円 | 請求されない(リセットが適用された場合) |
| 入れたお金 | 10万円 | 戻らない(全部なくなる) |
マイナス残高リセットが適用されれば、このマイナス3万円は請求されません。ここが守られる部分です。
では、入れた10万円はどうなるでしょう。10万円は戻りません。口座のお金は、全部なくなっています。
つまり、リセットが適用される場合に失う可能性のある最大額は、入れた10万円と読めます。入れたお金そのものは、全部なくなり得るということです。
やること:口座に入れる前に、「この額は全部なくなることがある」と考えておく。
ゼロカットで守られないものは?

守られるのは、マイナスになった分の1つだけです。守られないものを並べます。ここが本題です。
| 守られないもの | どういうこと? |
|---|---|
| 入れた証拠金そのもの | 全額を失うことがある |
| ロスカットが執行される価格 | 業者が自動でする決済が、いくらで決まるか |
| 逆指値が約定する価格 | 前もって値段を決めて出した注文が、いくらで決まるか |
| スプレッドの拡大 | 買値と売値の差が広がること |
| スワップの積み上がり | 持ち越すと払う(または受け取る)お金が積み上がること |
下の4つは、どれも約定(注文が成立して値段が決まること)の話です。ロスカットは、損が大きくなったときに業者が自動でする決済です。逆指値は、「この値段になったら決済」のように、前もって値段を決めて出しておく注文です。
どちらも、値段を約束するしくみではなく、「決済して」という注文の指示にすぎません。窓が開く(値段が途中をとばして動く)と、指示した値段では決まりません。実際に取引の相手がいた値段で決まります。
「守られない」のは、決まる値段のことです。くわしくは決算をまたぐと窓が開くに書きました。
マーケット執行という注文の方式が約束しているのは、「通す・速い」までです。これは「約定拒否なし・99%が0.1秒」の意味と限界に書きました。
やること:ロスカットや逆指値があっても、その値段で決まるとは限らないと考えておく。
国内のFX業者とは何が違う?

違いは、追証があるかどうかです。国内の登録業者で一般的なのは、次のしくみです。
損失が証拠金を超えると、足りない分を追加で入れる義務が生じます。いわゆる追証(追加の証拠金)です。
⚠ 各社の追証の具体的なルール・入金の期限・強制決済の条件は、この記事では確認していません。業者ごとに違います。国内業者を使うなら、その業者の約款(契約の決まり)で必ず確かめてください。
国内にゼロカットが無い理由は、その後、元になる資料(一次資料)で確かめました。国内FXにゼロカットが無い理由にまとめています。証拠金を超える損失(不足金)が実際にどれだけ出ているかも、そこに書いています。
ここで押さえたいのは、しくみの違いです。レバレッジ(入れたお金の何倍の取引をするか)の違いも、一緒に見てください。
| くらべる所 | 追証がある | マイナス残高リセットがある |
|---|---|---|
| 損失はどこで止まる? | 口座の外へ出ていく可能性がある | 口座の中で止まる |
| ただし | レバレッジの規制が厳しく、そもそも届きにくい | レバレッジが高いぶん、口座を空にするのは速い |
どちらが安全か、という話ではありません。止まる場所が違うだけです。そして高いレバレッジは、止まる場所へ届くまでの速さを上げます。
レバレッジの区分の実際は、「最大1000倍」の正体にまとめました。
やること:国内業者を使うなら、その業者の約款で追証のルールを確かめる。
ゼロカットがあれば大きく取引していい?

いいえ。「ゼロカットがあるから大きく取引できる」は、いちばん危ない読みかえです。順番が逆です。
マイナス残高リセットは、負けたときの損失を軽くするしくみではありません。負けが証拠金を超えたときに、超えた分だけを消すしくみです。証拠金の全額を失う確率は、少しも下がっていません。
「最悪でも入金額まで」を安心の材料にしている人は、その入金額を失う取引のしかたをしています。入金10万円なら(仮の例)、大きく取引すると、10万円がなくなるまでが速くなります。
そして、失った証拠金は次の取引に使えません。退場(お金がなくなって取引を続けられなくなること)したら、そこで終わりです。このサイトがくり返し書いているのは、この一点です。
マネー・ショートの記事で扱ったのも、同じしくみでした。読みが正しくても、それが証明されるまで口座が残っていなければ意味がありません。
税金の面でも、総合課税になる取引では、負けた年の損失を翌年に繰り越せません。総合課税は、ほかの所得と合わせて税金を計算するしくみです。総合課税の記事に書いたとおりです。
大きく負けてから取り返すやり方は、制度の面からも不利にできています。
やること:ゼロカットを、大きく取引する理由にしない。
結局、どう使えばいいの?

ゼロカットを否定したいわけではありません。位置づけを間違えなければ、役に立つしくみです。使い方は4つです。
- 「最悪の場合の上限を確定させる装置」として使う。口座に入れた額=失う可能性のある最大額、と読める
- だから、口座に入れる額そのものを、失っても暮らしが変わらない範囲に決める
- お金の管理の単位を、ロット(取引の量の単位)ではなく「その口座に入れた総額」で持つ
- 攻める理由にはしない。守りの前提として置くだけ
たとえば、なくなっても暮らしが変わらない額が10万円だとします(仮の例)。それなら、口座に入れるのは10万円までです。リセットが適用される場合、失う可能性のある最大額も10万円と読めます。
やること:口座に入れる前に、なくなっても暮らしが変わらない額を決めておく。
まとめ

- ゼロカットは、XMTradingでは「マイナス残高リセット」。公式の文言は「入金額以上の損失はなし」
- 守られるのはマイナスになった分だけ。入れた証拠金は、全額なくなることがある
- ロスカットも逆指値も、決まる値段(約定価格)は保証されない
- 国内の追証との違いは「損失が止まる場所」。どちらが安全という話ではない
- 大きく取引する理由にはならない。証拠金を失う確率は下がっていない
- 使うなら「入金額=失う可能性のある最大額」として、お金の管理の単位にする
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XMTradingはTradexfin Limitedのブランドで、セーシェル金融サービス庁の規制を受けており、日本の金融庁の登録は受けていません(金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」に掲載)。デリバティブ取引には投資元金を失うリスクがあります。
出典・注記
- 「マイナス残高リセット」の名称および「入金額以上の損失はなし」との記載は、XMTrading公式サイト(取引条件・株式デリバティブ・テーマ型指数の各ページ)による(2026年9月5日閲覧)
- 契約の相手 Tradexfin Limited の英文規約(Client Agreement 47.9項)の記載は、別記事「マイナス残高リセットの条件」で原文から読んでいる
- マイナス残高リセットの適用条件・除外事由・適用のタイミングは、本記事では確認していません。適用の可否は業者の規定によります
- 国内業者の追証(追加証拠金)の具体的なルールは確認していません。業者ごとに異なります
- 課税区分については国税庁 タックスアンサー No.1521 を参照(別記事に詳述)
- 本文の金額(入金10万円・マイナス3万円)は、しくみを説明するための仮の例です
本記事は取引条件の一般的な解説であり、投資判断や特定の業者の利用を勧誘するものではありません。取引条件は変更されることがあります。実際のお取引の前に、必ず提供業者の公式情報および約款をご確認ください。記載は執筆時点の情報に基づきます。
