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「逆指値を置いてあるから、決算をまたいでも大丈夫?」。株式デリバティブ(株式CFD)で決算をまたぐとき、この前提が崩れます。原因は、値段が飛ぶ「窓」です。
結論を先に書きます。逆指値は「その値段で決済できる」約束ではなく、「その値段に達したら注文を出す」指示です。値段が飛べば、飛んだ先で約定(売り買いが成立すること)します。仮の例なら、逆指値95ドルでも、翌朝90ドルから始まれば、決済は90ドル近くです。
さらに、レバレッジ20倍・必要証拠金ちょうどで建てた場合、4%不利に動くとロスカットの線に届きます。決算で4%動くのは、驚くようなことではありません。
決算の翌朝、値段が飛ぶのはなぜ?

会社は、株の取引時間の外で決算を発表します。決算は、会社のもうけなどの成績の発表です。市場が閉まっているあいだに、新しい情報が入ることになります。
翌日の最初の値段を「始値」、前日の最後の値段を「終値」といいます。決算のあと、始値が終値からいきなり離れたところに付くことがあります。これが「窓」(ギャップ)です。
仮の例で、前日の終値が100ドル、翌朝の始値が90ドルだったとします。99ドルや95ドルなど、あいだの値段では、そもそも売り買いが成立していません。値段が少しずつ「下がっていった」のではなく、その値段の帯が「なかった」のです。
株式デリバティブは、もとになる株(原資産)の値段を参照する契約です。だから、この飛びをそのまま受け取ります。
業者は、マーケットメーカーとして買値と売値を出しています(銘柄名の読み方で触れたとおり)。それでも、参照している市場が飛んでいる以上、出される値段も飛びます。
やること:決算の夜をまたぐと、翌朝の値段が前日の終値から離れて始まることがある、と知っておく。
逆指値を置けば損はそこで止まる?

止まるとは限りません。ここが、いちばん誤解されやすいところです。
逆指値は、前もって出しておく注文です。買いで持っているなら、「この値段を割ったら売る」と出しておきます。その値段に達すると、成行(値段を指定しない注文)で売りが出ます。
「損をここで止める」注文ではなく、「ここを割ったら売りを出す」注文です。
出した先に買い手がいなければ、買い手がいる値段まで下がって約定します。仮の例なら、95ドルの逆指値でも、朝90ドルから始まれば、売れるのは90ドル近くです。95ドルとの差の5ドルも、損になります。
指値(値段を決めて出す注文)と並べると、違いがはっきりします。
| 注文 | 約束していること | 約束していないこと |
|---|---|---|
| 指値 | 決めた値段か、それより有利な値段でしか約定しない | 約定すること自体 |
| 逆指値 | 決めた値段に達したら注文を出す | その値段で約定すること |
やること:逆指値は「値段の約束」ではなく「注文を出す合図」だと覚えておく。
ふだんと決算で何が違うの?

逆指値の値段と、実際に約定した値段の差を「スリッページ」といいます。
ふだんの値動きなら、この差はわずかです。仮の例なら、95ドルの逆指値が94.9ドルで約定する、くらいの差です。
ところが、窓が開いたときだけは、この差が損の本体になります。95ドルの逆指値が90ドル近くで約定すれば、差は5ドルです(仮の例)。
決算で値段が大きく動く理由には、たとえば次のものがあります。
- ガイダンス(会社が出す業績の見通し)の下方修正
- 一株利益(1株あたりの利益)の未達(見込みに届かないこと)
- 翌四半期(次の3か月)の見通し
どれも、一晩で10%を超えることがあります。
XMが公式に掲げる「約定拒否なし・99%の注文が0.1秒未満」が、何を約束し、何を約束していないか。それは「約定拒否なし・99%が0.1秒」の意味と限界で整理しました。
やること:決算をまたぐときは、逆指値の値段と約定の値段が大きく離れうる、と考えておく。
20倍で建てると何%でロスカット?

証拠金の記事で出した数字を、もう一度使います。株式デリバティブの最大レバレッジは20倍、ロスカット水準は20%と案内されています(2026年9月時点)。
レバレッジは、預けたお金の何倍の取引ができるかの倍率です。ロスカットは、損が膨らんだとき、自動で決済の注文が出るしくみです。
ロスカット水準20%とは、証拠金維持率が20%を割るところです。証拠金維持率は、口座のお金が、必要証拠金に比べてどれだけあるかの割合です。口座のお金は、いまの損を差し引いた額で数えます。
仮の例で計算します。必要証拠金(建てるのに最低限いるお金)ちょうどの5万円で、20倍の100万円分を建てたとします。
4%不利に動くと、損は4万円です。口座に残るのは1万円で、これは必要証拠金5万円の20%です。ここが、ロスカットの線です。
耐えられる逆行 = (1 - ロスカット水準)÷ レバレッジ
= 0.8 ÷ 20 = 4%
式の「逆行」は、不利な方向への動きのことです。答えは4%です。決算発表で個別株が4%動くのは、驚くようなことではありません。
そして、ロスカットは「4%で必ず止まる」装置ではありません。ロスカットも、逆指値と同じく、注文を出す指示です。
窓を開けて始まった相場では、証拠金維持率が20%を割った瞬間の値段では決まりません。実際に約定した値段で損が確定します。
仮の例で、この100万円分が終値100ドルの株だったとします。4%不利な値段は96ドルです。翌朝90ドルから始まり、90ドル近くで約定すれば、値段は約10%下です。損は約10万円で、入れた5万円を超えます。
やること:「20倍なら4%」は必要証拠金ちょうどの計算で、窓では実際に約定した値段で損が決まる、と押さえておく。
マイナス残高リセットで証拠金は戻る?

戻りません。XMは「マイナス残高リセット」を案内しています。入金した額以上の損は負わない、というしくみです。
ただし、これが守っているのは1点だけです。「口座の残高がマイナスになったとき、そのマイナスを追いかけて請求されない」ことです。入れた証拠金そのものは守られません。
前の節の仮の例で見ます。損が約10万円なら、入れた5万円はなくなり、口座の残高はゼロになります。はみ出した約5万円のマイナス分は請求されない、というのがこのしくみです。
しかも、その「請求されない」にも条件があります。規約の該当する条項は、マイナス残高リセットの条件で原文から確かめました。
「借金は残らなかった」は事実です。でも、「損はしなかった」ではありません。この線引きはゼロカットが保証していないことでくわしく分けています。
やること:守られるのはマイナス分だけで、入れた証拠金は戻らないと押さえ、条件は上の記事で確かめておく。
決算をまたぐなら何を変える?

決算をまたぐかどうかは、各自が決めることです。ここでは、またぐ場合に何を変えるかだけを書きます。
| やり方 | 効くこと | 効かないこと |
|---|---|---|
| 証拠金を多めに入れる(実効レバレッジを下げる) | 耐えられる逆行の幅が広がる | 値段の飛びの大きさそのもの |
| ロットを小さくする | 1回の損の上限が下がる | 方向が外れること |
| 逆指値を置く | ふだんの値動きでの損を限定できる | 窓のときの約定の値段 |
| 決算前に決済する | 窓のリスクを負わない | その後の値動きを取れない |
実効レバレッジは、口座に実際に入れたお金の何倍の取引をしているか、です。仮の例なら、5万円で100万円分は20倍です。10万円を入れて同じ100万円分なら、10倍です。
実効レバレッジと耐えられる幅の関係は、マネー・ショートの記事で書いたことと同じつくりです。レバレッジを下げることは、耐えられる時間を買うこと。決算をまたぐのは、その時間をいちばん必要とする場面です。
そして、もう1つ。決算がいつ発表されるかを、建てる前に調べます。米国株なら、日本時間の深夜から早朝です。時間の話は米国株デリバティブは日本の深夜に動くにまとめています。
やること:建てる前に決算の発表日を調べる。またぐなら、ロットではなく実効レバレッジで考える。
まとめ

- 窓は値段が少しずつ動いたのではなく、あいだの値段で売り買いが成立していない状態
- 逆指値は注文を出す指示であって、約定の値段の約束ではない
- レバレッジ20倍・必要証拠金ちょうどなら、耐えられる逆行は4%(ロスカット水準20%での計算)
- ロスカットも注文を出す指示。窓では、想定より深い値段で確定する
- マイナス残高リセットが守るのはマイナス分だけ(条件あり)。入れた証拠金は守られない
- またぐなら、決算の発表日を先に調べ、ロットではなく実効レバレッジで考える
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XMTradingはTradexfin Limitedのブランドで、セーシェル金融サービス庁の規制を受けており、日本の金融庁の登録は受けていません(金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」に掲載)。デリバティブ取引には投資元金を失うリスクがあります。
出典・注記
- 株式デリバティブの最大レバレッジ20倍、ロスカット水準20%、「マイナス残高リセット」の表記は、XMTradingの公開情報にもとづく(2026年9月時点)
- 「マーケットメーカーとして買値と売値を提示する」との記述は、XMTrading公式サイトのよくあるご質問による(2026年9月5日閲覧)
- マイナス残高リセットの条件は、XMTradingの規約(Client Agreement)47.9項。原文は「マイナス残高リセットの条件」の記事で確認しています
- 耐えられる逆行率の計算は、必要証拠金ちょうどを入れた場合の理論値です。実際の約定価格を保証するものではありません
- 文中の値段と金額(終値100ドル・逆指値95ドル・始値90ドル・94.9ドル・証拠金5万円・100万円分・10万円など)は、説明のための仮の例です。実在の銘柄の値動きではありません
- 個別の銘柄の決算日程・値動きの実績には触れていません
本記事は注文の仕組みと取引条件の一般的な解説であり、投資判断や特定の銘柄の売買を勧誘するものではありません。取引条件は変更されることがあります。実際のお取引の前に、必ずMT5の銘柄仕様と提供業者の公式情報をご確認ください。記載は執筆時点の情報に基づきます。
