FXの広告の注意書きは何?|必ず書いてある登録番号とリスク

FXの広告の注意書きは何?|必ず書いてある登録番号とリスク

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FXの広告の下に、同じくらいの大きさの字で長い注意書きが並んでいることがあります。あれはデザインの趣味ではありません。この記事では、FXの広告に必ず書いてあることと、その見方を整理します。

結論を先に書きます。あの注意書きは、法令(法律と国の細かい決まり)が日本の登録業者に書かせているものです。会社名・登録番号・損のおそれなどを書き、損の注意は文字の大きさまで決まっています。書かない・うその表示・誇大広告(言いすぎの広告)には、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金があります。

目次

FXの広告の注意書きは何?

スマホに映る架空のFX広告で、上の宣伝の下にある長い注意書きを赤い括弧で示し、会社名・登録番号・重要なことの3つは法律が書かせていることを、美咲の問いかけで見せる図

ひとことで言うと、法律が「広告にはこれを書きなさい」と決めている項目です。

決まりの相手は、日本で登録を受けた業者(法律の言葉では「金融商品取引業者等」)です。業者が自分の仕事について広告を出すときは、次の3つを書かなければなりません。

  • 会社の名前(法律の言葉では「商号、名称または氏名」)
  • 登録を受けた業者であることと、その登録番号
  • お客さんの判断に影響する重要なこと(中身は、法律を受けた国の決まり=政令が定める)

3つめの「重要なこと」は6つあります。中身は「ほかに必ず書いてあることは?」の節で見ます。

ここでいう「広告」には、メールやチラシも入ることがあります。これも後の節で説明します。

やること:広告を見たら、大きな宣伝の文字だけでなく、下の注意書きにも目を通す。

登録番号は必ず書いてある?

架空のFX広告の注意書きの一行を虫めがねで大きくし、伏字の登録番号を見せる図。番号は日本の登録業者かを確かめる最初の手がかりだと、蓮が問いかける形で示している

日本の登録業者の広告なら、書く決まりです。登録番号は、登録を受けた業者であることとセットで書きます。法律の言葉では、「金融商品取引業者等である旨」と登録番号です。

この番号は、相手が日本の登録業者かを確かめる最初の手がかりになります。番号の読み方は、金融庁の登録業者一覧の読み方に書きました。

ただし、この決まりは日本の登録業者に向けたものです。日本の登録を受けていない業者(海外の業者など)には及びません(無登録営業の記事)。

登録番号の決まりも、文字の大きさの決まりも、誇大広告の禁止も、そこには働いていないということです。

やること:広告を見たら、まず登録番号が書いてあるかを探す。

ほかに必ず書いてあることは?

広告の注意書きに書く決まりの6つ(手数料・証拠金・何倍か・損のおそれ・証拠金より大きな損・売値と買値の差)を身近なアイコンのカードで並べ、佳奈がスプレッドも入るのかを確かめる図

3つめの「重要なこと」として、政令が6つを挙げています。やさしく言い換えると、次のとおりです。

  • お客さんが払う手数料などのこと
  • 預ける証拠金(取引のために業者に預けるお金)の額か、その計算のしかた
  • 取引の額が証拠金を上回ることがあるなら、そのことと、取引の額が証拠金の何倍か
  • 相場(法律の言葉では「指標」。FXなら為替など)の動きで損が出るおそれがあるなら、その相場と理由
  • その損が証拠金より大きくなるおそれ(元本超過損)があるなら、その相場と理由
  • 業者と直接する取引(店頭取引)で、業者が出す売値と買値に差があるなら、そのこと

3つめの「何倍か」が、広告でよく見る「レバレッジ25倍」の正体です。決まりの言葉は倍率そのものではなく、「取引額の証拠金に対する比率」です(レバレッジ上限の記事)。

たとえば、証拠金4万円で100万円分の取引をするなら、取引額は証拠金の25倍です(仮の例)。

6つめはスプレッド(売値と買値の差)のことです。決まりが書かせているのは、「売値と買値には差がある」ということです。スプレッドを費用として円で読む話は、スプレッドを円で読む記事にあります。

なお、テレビやラジオの広告は時間が限られるので、書くことが絞られています。

やること:注意書きの中から、手数料と「証拠金より大きな損のおそれ」の行を探して読む。

注意書きの字はなぜ大きいの?

架空の広告で「キャッシュバック○○円」と「損失が生じるおそれがあります」がほぼ同じ大きさで並び、損の注意は一番大きな字と大きく違わない大きさにする決まりを、城戸が確かめる図

国の細かい決まり(内閣府令)が、文字の大きさまで決めているからです。ここが一番「なるほど」と思うところです。

まず、広告に書く項目は、はっきり、正確に書かなければなりません。そのうえで、大きさの決まりがあるのは、損が出るおそれなどの文字・数字です。証拠金より大きな損のおそれも入ります。

決まりの言葉では、「それ以外の事項の文字・数字のうち最も大きなものと著しく異ならない大きさ」です。つまり、広告の中で一番大きな字と、大きく違わない大きさにします。

たとえば、「キャッシュバック○○円」を大きく出すとします。それなら、損のおそれの文字も同じくらい大きくしなければなりません。広告の下に大きめの注意書きが並ぶのは、この決まりがあるからです。

小さい字で逃げることを、決まりが最初から塞いでいる形です。

やること:大きな字の宣伝を見たら、同じくらいの大きさで書かれた損の注意も探して読む。

メールやチラシも広告になる?

業者の担当者から、郵便・FAX・メール・ビラで同じ内容の紙がたくさんの家に届く場面。大勢に同じ内容を配る行為も広告になりうることを、凛が確かめる形で示した図

なることがあります。決まりは「広告」だけでなく、広告に似た行為(広告類似行為)も対象にしています。

決まりに挙げられているのは、次の方法です。

  • 郵便
  • 信書便(郵便以外の業者が手紙を届けるサービス)
  • ファクシミリ
  • 電子メール
  • ビラやパンフレットの配布
  • その他の方法

共通するのは、「多数の者に対して同様の内容で行う情報の提供」という点です。つまり、「広告」と名乗っていなくても、大勢に同じ内容を配れば、決まりの対象になりうる作りです。

除かれるものもあります。法令にもとづいて作られた書類の配布、勧誘に使わない企業分析の資料、一定の表示だけがされた景品などです。

では、このサイトのような第三者のサイトはどうでしょうか。このサイトは、アフィリエイト(紹介で報酬を受けるしくみ)のリンクを置いています。ここは断定できません。

「多数の者に対して同様の内容で行う情報の提供」という決まりの言葉は、広く読めます。ただ、決まりの主語は、あくまで登録業者(金融商品取引業者等)です。

業者ではない第三者が行う紹介が、どこまで「広告等」に含まれるか。これについての行政の考え方は、この記事では確認していません。

やること:大勢に届くメールやチラシで投資に誘われたら、広告と同じように登録番号から確かめる。

言いすぎの広告は禁止されている?

架空の広告の「利益を保証」「損失は当社が負担」という文に大きな赤い×を重ね、損の負担や利益の保証を思わせる誇大広告は禁止だと、勝又の問いかけで見せる図

禁止されています。誇大広告の禁止です。利益の見込みなどについて、事実と大きく違う表示や、人を大きく誤解させる表示をしてはいけません。

法律の言葉では「著しく事実に相違する表示」「著しく人を誤認させるような表示」です。対象の項目は、国の細かい決まり(内閣府令)に14まで並んでいます。FXに関係の深いものを抜き出します。

  • 契約の解除のこと
  • 損の全部・一部を負担する、利益を保証するということ
  • 損害賠償の額の予定(違約金を含む)のこと
  • 業者の資力(お金の力)や信用のこと
  • 業者のこれまでの実績のこと
  • 手数料などの額・計算のしかた・払う方法と時期・払う先のこと

注目は2つめです。損の負担や利益の保証を思わせる表示は、ここで正面から封じられています。

損を業者が埋め合わせること(損失補塡)そのものは、別の決まりで禁止されています(ゼロカットの記事)。広告の段階でも、同じ線が引かれているということです。

広告の決まりを破ると、刑事罰があります。書くべきことを書かない、うその表示をする、誇大広告をする、のどれかに当たるときです。

刑は、どれも6か月以下の拘禁刑(刑務所などに入る刑)または50万円以下の罰金です。両方が科されることもあります。

あわせて、登録の取消しや、6か月以内の業務停止の対象にもなります。

電話やSNSの勧誘の記事で見た勧誘の決まりには、刑事罰がありませんでした。不招請勧誘(頼まれていないのに訪問や電話で誘うこと)の禁止などです。広告のほうには罰則がある、という違いがあります。

当サイトも、決まりの相手かどうかにかかわらず、次のことを自分に課しています。この記事で読んだ広告の決まりの線を、そのまま自分にも当てています。

  • 利益の保証や損失の負担を思わせる表現を書かない
  • 数字は一次資料から取り、出典を示す
  • 損失のおそれを小さく扱わない

やること:「利益を保証」のような言葉の広告を見たら、うのみにせず、登録番号から確かめる。

まとめ

スマホの画面に広告の見方を3つの手順で並べた図。登録番号を探す、損の注意を読む、保証の言葉に気をつける。美咲がこの順番でよいかを確かめている
  • FXの広告の注意書きは、法令が書かせている項目。相手は日本の登録業者
  • 必ず書くのは①会社の名前 ②登録を受けた業者であることと登録番号 ③お客さんの判断に影響する重要なこと
  • 重要なことは6つ。手数料/証拠金の額か計算のしかた/取引額が証拠金の何倍か/損のおそれ/証拠金より大きな損のおそれ/売値と買値の差
  • 損の注意の字は、広告で一番大きな字と大きく違わない大きさ。小さい字で逃げられない
  • メールやビラなど、大勢に同じ内容を配る行為も「広告等」に入る
  • 誇大広告は禁止。損の負担や利益の保証、業者の実績、手数料などが対象
  • 書かない・うその表示・誇大広告には、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。勧誘の決まり(不招請勧誘など)と違い、広告には罰則がある
  • 日本の登録を受けていない業者には、この決まりは及ばない。広告に登録番号があるかを最初に見る

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国内の登録業者を併用する、という選び方

このサイトは海外業者の取引条件を扱っていますが、国内の登録業者を併用するという選択もあります。国税庁タックスアンサー No.1521 の原則では、第一種金融商品取引業者または登録金融機関との店頭デリバティブ取引は申告分離課税で、損失を翌年以後3年に繰り越せます。この線がどこに引かれているかは総合課税の記事に書きました。

  • MATRIX TRADER(JFX株式会社/関東財務局長(金商)第238号・第一種金融商品取引業)
  • 【DMM FX】(株式会社DMM.com証券/関東財務局長(金商)第1629号・第一種および第二種金融商品取引業)

⚠ 実際にどちらの課税区分になるかは、取引の相手方が第一種金融商品取引業者または登録金融機関かどうかで決まります。上に書いた2社の登録番号と業務の種別は、金融庁「金融商品取引業者登録一覧」(令和8年7月31日現在)で確認しました。登録は取り消されることも、業務の種別が変わることもあります。最新は同じ一覧でご自身で確かめてください。また、国内業者には金融庁の規制により個人口座の最大レバレッジに上限があります。

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出典・注記

  • 本文で紹介した決まりと条文の対応:広告に書く3つ=金融商品取引法37条1項1号〜3号/6つの重要なこと=同法施行令16条1項1号〜6号(テレビ・ラジオの広告は同条2項)/はっきり、正確に=金融商品取引業等に関する内閣府令73条1項、文字の大きさ=同条2項(令16条1項4号・5号など)/広告に似た行為=同府令72条/誇大広告の禁止=金融商品取引法37条2項・同府令78条(本文の6つは78条1号・2号・3号・5号・6号・7号)/刑事罰=金融商品取引法205条10号(表示しない・虚偽の表示)・11号(誇大広告)/登録の取消し・業務停止=同法52条1項7号/刑事罰のない勧誘の決まり=同法38条4号〜6号/損失補塡の禁止=同法39条
  • 金融商品取引法 第37条、第52条第1項第7号、第205条第10号・第11号(e-Gov法令APIで取得・2026年9月21日)
  • 金融商品取引法施行令 第16条(e-Gov法令APIで取得・2026年9月21日)
  • 金融商品取引業等に関する内閣府令 第72条、第73条、第78条(e-Gov法令APIで取得・2026年9月21日)。表は各号の要旨で、条文には細かい限定が付いています
  • 放送・電子メール等の媒体ごとの取扱い(府令76条・77条)、個別の広告表現が誇大広告にあたるかの判断、行政処分の事例は、本記事では確認していません
  • 業者ではない第三者(アフィリエイトサイトなど)が行う紹介が、どこまで「広告等」に含まれるかについての行政の考え方は、本記事では確認していません。断定を避けています
  • 景品表示法・特定商取引法など、金商法以外の広告規制との関係も本記事では扱っていません
  • 本記事は特定の業者や媒体を非難する趣旨のものではありません

本記事は法令の一般的な解説であり、法的助言や投資判断、特定の業者の利用を勧誘するものではありません。法令の解釈・適用については、必要に応じて専門家にご確認ください。記載は執筆時点の情報に基づきます。

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