FXの取引残高報告書はどこを見る?|届く時期と確かめる3か所

FXの取引残高報告書はどこを見る?|届く時期と確かめる3か所

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国内のFX業者の取引画面に並ぶ「取引報告書」や「取引残高報告書」を、開かずにそのままにしていませんか。どれも業者の親切ではなく、法律で業者が出すと決められている書類です。

結論を先に書きます。取引残高報告書は、取引などがあれば3か月以下の区切りごとに作られる、あなたの口座の記録です。届いたら「入出金」「期末の残高」「持っている取引の含み損益」の3か所を、自分の記録と突き合わせます。4月10日に10万円を入金したなら、その日付と金額が載っているかを見ます(仮の例)。

目次

FX会社から届く報告書は何のため?

スマホの取引画面に並ぶ取引報告書と取引残高報告書を見て、開かなくていいのかと問う美咲と、書類の横に立つ業者の担当者の図。日本の登録業者が出すと法律で決まった書類だと示している

報告書は、法律で業者に出すことが決められています。取引が成立したときなどに、取引の情報をお客さんに提供しなければなりません。法律の言葉では「遅滞なく」、つまり遅れずに出す決まりです。

この記事で読むのは、次の2つの書類です。

  • 取引報告書=取引が成立したときに届く書類
  • 取引残高報告書=区切った期間ごとの、口座の記録

何を書くか、いつ作るかは、法律の下の細かい決まり(内閣府令)が決めています。業者がこれに違反して、情報を出さなかったり、うその情報を出したりすると、罰則もあります。6か月以下の拘禁刑(刑事施設に入れられる刑)か50万円以下の罰金、またはその両方です。

この決まりの相手は、日本で登録を受けた業者です。XMのような海外業者の取引履歴や口座の報告は、この決まりが中身を決めているものではありません(無登録営業の条文と罰則)。

海外業者の報告で、どの項目が、どの頻度で、どの規則にもとづいて出されているかは、この記事では確認していません。損益の記録は、自分で残しておくのが確実です。

やること:取引画面のどこに報告書が並んでいるか、一度開いて確かめておく。

取引報告書には何が書いてある?

仮の取引報告書に、4月10日・買い 米ドル/円・1万通貨・150.00円・信託先の銀行名の5行が並び、信託先の行を赤で囲んだ図。佳奈が銀行名まで載るのかと確かめている

取引報告書は、取引が成立したときに届く書類です。法律の言葉では「契約締結時等交付書面」といいます。FXでは、主に次のことが書かれます。

書かれること中身
成立の年月日取引が成立した日
売りか買いか・銘柄銘柄は、通貨ペアなどの取引の対象
約定数量・約定数値取引した量と、成立したときのレート
手数料・支払う金額手数料等と、お客さんが支払う金額とその計算方法
証拠金と預け先証拠金の種類と金額(取引ごとに契約していない場合は、その旨と計算方法)、預ける相手方、分別管理上の預託先

たとえば4月10日に、米ドル/円を1万通貨、150.00円で買ったとします(仮の例)。その日付、買い、通貨ペア、数量、レートが載ります。ほかに、業者の名前と営業所、あなたの名前、業者への連絡方法も載ります。

目を留めたいのは「分別管理上の預託先」です。証拠金(取引のために業者に預けるお金)が、どこに分けて置かれているか。FXなら信託先の銀行の名前が、取引のたびの報告に書かれることになっています。

信託の仕組みは信託保全の記事、CFDとの違いはCFDの証拠金の記事で読めます。建玉(まだ決済していない取引)を決済する取引なら、そのことと、元の取引のレートも書かれます。

なお、投資顧問契約(投資の助言を受ける契約)には、解除の仕組みがあります。この書面などを受け取った日から10日の間、書面で解除できます。FXの取引には、この解除の仕組みはありません(クーリング・オフの記事)。

やること:取引報告書が届いたら、日付・売り買い・数量・レートと、信託先の銀行の名前を見ておく。

取引残高報告書はいつ届く?

1月〜12月を3か月ずつ区切ったカレンダーで、取引があれば区切りの最後の日に作ると封筒で示した図(仮の例)。請求すれば取引のたび、1年取引なく残高だけなら1年ごとなども添えた

取引残高報告書は、区切った期間ごとの口座の記録です。いつ作るかは、次のように決まっています。

場合いつ作るか
原則取引や受渡し(入金・出金など)があった区切りの最後の日。区切りは、1年を3か月以下ごとに分けた期間
お客さんが請求したとき取引が成立するたび
前の報告書から1年間取引がなく、残高だけがあるとき1年ごとなどの区切りでよい

たとえば3か月ごとに区切る業者で、4月〜6月に取引があれば、6月末の区切りで作られます(仮の例)。つまり、取引を続けている人には、少なくとも3か月に1回は届く書類です。

業者によっては、もっと短い間隔で出しています。例として、当サイトが広告を掲載しているDMM FXの説明書(2026年9月21日取得)を見ます。次の書類を電子交付(デジタルで渡すこと)するとしています。

  • 取引報告書兼残高報告書兼証拠金受領通知書(日次)
  • 取引残高報告書(月次)
  • 四半期報告書
  • 期間損益報告書(期間を自分で指定できる)

これに年間損益報告書(1月1日〜12月31日)を加えた報告書は、取引画面で見られます。法律の最低線(3か月以下ごと)より細かく、日次と月次で出している1社の例です。

やること:自分の業者が、どの報告書をどの間隔で出しているかを確かめておく。

残高報告書のどこを見ればいい?

仮の取引残高報告書の入出金・期末の残高・建玉の含み損益の3か所に番号を付け、美咲が自分のメモ「4/10 10万円入金」と見比べている図

取引残高報告書には、期間中に成立した取引の一覧が載ります。日付・売り買い・銘柄・数量・レートと、手数料を含む支払金額などです。そのほか、次のことが書かれます。

  • 期間中の入金・出金の日付と金額
  • 期間の最後の日のお金などの残高
  • 期間の最後の日に持っている建玉と、その含み損益

含み損益は、まだ決済していない取引の、期間の最後の日の時点での評価の損益です。口座の状態を業者の側から確定させた記録が、この1枚にまとまる作りです。

見るのは、この3か所です。仮の例で見ます。自分のメモに「4月10日 10万円入金」とあるとします。報告書の入出金の欄に、同じ日付と100,000円があるかを確かめます。

期末の残高と、建玉の含み損益も、同じように自分の記録と見比べます。なお、税務署に出される支払調書は、これとは別の書類です(マイナンバーと支払調書の記事)。

やること:届いたら、入出金・期末の残高・含み損益の3か所を、自分の記録と見比べる。

紙で受け取りたいときは?

封筒(書面)とスマホ(デジタル)を並べ、2025年4月1日から業者がどちらかを選べるが、請求すれば書面で受け取れることを示した図。城戸が紙で受け取れるかを確かめている

2025年4月1日から、業者が「書面(紙)」か「デジタル」かを選べるようになりました。ただし、お客さんが書面を請求したときは、書面で渡す決まりです。

金融庁の説明では、証券会社などは、お客さんのデジタル・リテラシー(デジタルへの慣れぐあい)に応じて選べます。書面を希望する人は、その旨を請求すれば、これまでどおり書面で受け取れます。例に挙がっている書類には、取引残高報告書も入っています。

デジタルで渡すことを、法律の言葉では「電磁的方法」による提供といいます。法律の見出しも「書面の交付」ではなく「情報の提供」です。契約前の説明と同じ流れの改正です(口座開設の書面の記事)。

やること:紙で受け取りたいときは、業者に書面での交付を請求する。

数字が合わないときはどうする?

報告書に入金が載っていないと気づいた勝又が、まずスマホで業者の担当者に問い合わせ、話がつかなければFINMACのあっせんへ進む順番を示した図

自分の記録と食い違っていたら、まず業者に照会(問い合わせ)します。業者への連絡方法は、取引報告書に書かれています。

たとえば、4月10日の10万円の入金が、報告書に載っていないときです(仮の例)。DMM FXの説明書も、書かれた内容に食い違いや疑問があるときは、速やかに照会してほしいと書いています。

業者と話がつかなければ、FINMAC(業者とのもめごとの相談を受ける窓口)のあっせんがあります。あっせんは、間に入って話し合いを助ける手続きです(金融ADRとFINMACの記事)。

やること:食い違いは、まず業者に照会する。話がつかなければFINMACへ。

まとめ

美咲の横にチェックリストを置き、報告書は法律で業者が出す記録、取引などがあれば3か月以下ごと、入出金・残高・含み損益を突き合わせる、の3行を並べた図
  • 取引報告書と取引残高報告書は、日本で登録を受けた業者が出すと法律で決められた書類。出さなかったり、うその情報を出したりすると罰則もある
  • 取引報告書には、成立の日・売り買い・銘柄・数量・レート・手数料と、証拠金の分別管理上の預託先(FXなら信託先の銀行)が載る
  • 取引残高報告書は、原則、取引などがあれば3か月以下の区切りごと。請求すれば取引のたび。1年取引がなく残高だけなら1年ごとなどでよい
  • 2025年4月1日から、書面かデジタルかを業者が選べる。書面を請求すれば書面
  • DMM FXは日次と月次の報告書などを電子交付している(1社の例)
  • 届いたら、入出金・期末の残高・含み損益の3か所を自分の記録と突き合わせる。合わなければまず業者へ、話がつかなければFINMAC
  • 海外業者の報告は、この決まりが中身を決めるものではない。損益の記録は自分で残しておく

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国内の登録業者を併用する、という選び方

このサイトは海外業者の取引条件を扱っていますが、国内の登録業者を併用するという選択もあります。国税庁タックスアンサー No.1521 の原則では、第一種金融商品取引業者または登録金融機関との店頭デリバティブ取引は申告分離課税で、損失を翌年以後3年に繰り越せます。この線がどこに引かれているかは総合課税の記事に書きました。

  • MATRIX TRADER(JFX株式会社/関東財務局長(金商)第238号・第一種金融商品取引業)
  • 【DMM FX】(株式会社DMM.com証券/関東財務局長(金商)第1629号・第一種および第二種金融商品取引業)

⚠ 実際にどちらの課税区分になるかは、取引の相手方が第一種金融商品取引業者または登録金融機関かどうかで決まります。上に書いた2社の登録番号と業務の種別は、金融庁「金融商品取引業者登録一覧」(令和8年7月31日現在)で確認しました。登録は取り消されることも、業務の種別が変わることもあります。最新は同じ一覧でご自身で確かめてください。また、国内業者には金融庁の規制により個人口座の最大レバレッジに上限があります。

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XMTradingはTradexfin Limitedのブランドで、セーシェル金融サービス庁の規制を受けており、日本の金融庁の登録は受けていません(金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」に掲載)。デリバティブ取引には投資元金を失うリスクがあります。

出典・注記

  • 金融商品取引法 第37条の4(e-Gov法令APIで取得・2026年9月23日)、第205条第12号(同・2026年9月20日)
  • 金融商品取引業等に関する内閣府令 第98条、第98条の2、第99条、第100条、第102条、第108条、第110条、第111条(e-Gov法令APIで取得・2026年9月20日)
  • 本文と条文の対応:報告書を出す義務=金融商品取引法37条の4(見出しは「契約締結時等の情報の提供」)/罰則=同法205条12号/取引報告書の中身=内閣府令99条(どの取引にも共通)・100条1項(デリバティブ取引など。自己か委託かの別、取引の種類も書く)・102条1項(デリバティブ取引等に係る記載事項の特則。4号は取引の期限と、決済の取引ならその旨と元の取引の約定数値。3号の取引所の名称は取引所の取引だけの項目で、店頭のFXには関係しない)/取引残高報告書を作る時期=98条1項3号、中身=108条1項2号・4号・5号・6号/書面かデジタルか=98条の2/契約前の説明=金融商品取引法37条の3
  • 金融庁「金融商品取引契約に係る顧客交付書面のデジタル化について」(2025年2月20日・2026年9月21日取得)
  • 株式会社DMM.com証券「店頭外国為替証拠金取引説明書」の「電子交付書面」「注文をした取引の成立」「取引残高、建玉、証拠金等の報告」の各項(2026年9月21日取得)
  • 4月10日の入金10万円、米ドル/円・1万通貨・150.00円の買い、3か月ごとに区切って4月〜6月の取引を6月末の区切りで作る例は、当サイトの仮の例です
  • 内閣府令110条・111条が定める、情報の提供を要しない場合の細目と、個別の取引がそれに当たるかどうかは本記事では確認していません。電磁的方法で提供するときの要件(98条の2第2項が準用する79条2項)も確認していません
  • 本記事には、当サイトが広告を掲載している業者(株式会社DMM.com証券)が含まれます。記載は同社の公表資料によるものです

本記事は法令と公表資料の一般的な解説であり、法的助言や投資判断、特定の業者の利用を勧誘するものではありません。記載は執筆時点の公開情報に基づきます。

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