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国内のFX・CFD業者のページには、ほぼ必ず「お預かりした証拠金は信託保全しています」とあります。では、株価指数CFDや、金や原油などの商品CFDはどうでしょう。預けた証拠金は、FXと同じように信託されているのでしょうか。
結論を先に書きます。国内の業者なら、個人の証拠金は、FX・株価指数CFD・商品CFDの3つとも信託で管理する決まりです。信託が2万円足りなくなれば(仮の例)、業者は翌日から数えて2営業日以内に2万円を追加する決まりです。読者から見た違いは、監査の定めと、揉めたときの窓口です。
CFDの証拠金も信託で守られている?

はい、国内の業者なら、CFDでも個人の証拠金は信託で管理する決まりです。信託は、業者が会社のお金と分けて、信託銀行などに預けて管理してもらうことです。預け先は、信託会社や、信託の仕事をする金融機関です。
ただ、元になる決まりは1つではありません。取引の種類で、次の3つに分かれます。
| 取引 | 元になる決まり | 証拠金の守り方 |
|---|---|---|
| FX(通貨) | 金融商品取引法の「区分管理」の決まり | 信託だけ |
| 株価指数CFD・個別株CFD | 金融商品取引法の「分別管理」の決まり | 信託(法律の本文で義務) |
| 商品CFD(金・原油・穀物など) | 商品先物取引法 | 個人は信託、法人は預金なども選べる |
「区分管理」も「分別管理」も、会社のお金と分けて管理する、という意味の決まりの名前です。
当サイトが広告を掲載しているDMM.com証券のCFD(DMM CFD)は、株価指数と商品を扱っています。2026年9月23日時点のチャートのページでは、株価指数8・商品14の計22銘柄でした(当方が数えたもの)。個別株CFDはありません。
同社の信託保全のページによると、証拠金(評価損益・調整額を含む)は、日証金信託銀行に金銭信託されています。根拠は「金融商品取引法及び商品先物取引法等に基づき」と、2本の法律を1文にまとめて書いています。
ただ実際には、株価指数の銘柄と商品の銘柄で、効いている決まりは別です。なお、業者が破綻したときに実際にいくら返るかは、この記事では扱っていません。
やること:使っている業者の信託保全のページを開き、自分の銘柄が株価指数か商品かを確かめておく。
FXの証拠金はどう預けられている?

FXの証拠金は、会社のお金と分けて管理する決まりです。ただ、法律が書いているのは「分けて管理する」までです。方法は、内閣府令(国が決める細かい決まり)が決めています。
細かい決まりは、取引の種類で方法を2つに分けています。FX(通貨)と、暗号資産などを対象にした同じ種類の取引は、信託銀行などへの金銭信託だけです。それ以外の取引は、保証金だと名義で分かる預金なども選べます。
つまり、FXは信託しか選べません。信託の中身も、次のように決まっています。
- 受益者代理人を選ぶ。いざというとき、お客さんに代わって信託の権利を使う人です。少なくとも1人は弁護士・公認会計士・税理士など
- 信託に必要な額を毎日計算する
- 信託が必要な額に足りなくなったら、翌日から数えて2営業日以内に、足りない分を追加する
仮の例です。必要な額が10万円なのに、信託が8万円しかなかったとします。業者は、足りない2万円を、翌日から数えて2営業日以内に追加しなければなりません。
DMM.com証券のFX(DMM FX)の信託先は3社でした。日証金信託銀行・SMBC信託銀行・SBIクリアリング信託です(2026年9月20日閲覧)。くわしいしくみは信託保全の記事で読みました。
信託先の名前は、口座開設の前に渡される書面にも載っています(口座開設の書面の記事)。
やること:口座開設の前に渡される書面で、自分の証拠金の信託先を確かめておく。
株価指数CFDはFXと同じ扱い?

個人の証拠金を信託で管理する点は同じです。ただ、元になる決まりはFXとは別です。株価指数CFDも個別株CFDも、法律の上では「有価証券関連」(株などの有価証券にかかわる取引)に入るからです。
CFDは、約束した数値と実際の数値の差額をやりとりする取引です。その数値が、株価や、株価から計算する株価指数なら「有価証券関連」に当たります。FXの決まりは、この種類を対象から外しています。
デリバティブという言葉の定義は、デリバティブ取引の定義の記事で読みました。
株価指数CFDなどの決まりは、お客さんに返すべき額に当たるお金について定めています。法律の本文に「国内において、信託会社等に信託をしなければならない」とあります。これを顧客分別金信託と呼びます。
FXでは、法律は「分けて管理」まで書き、信託は細かい決まりの側で選ばせていました。結果はどちらも信託ですが、決まりの書き方が違います。
この決まりは、もともと証券会社が預かる現物株の代金なども対象にしています。そこに店頭のCFD(取引所を通さないCFD)が入るので、専用の細かい決まりがあります。
- 業者が返すべき額は、お客さんごとに計算する
- その額には、決済したら出る利益を含める(評価損益を反映する)。出る損失は差し引くことができる
- 受益者代理人に弁護士などを1人以上。足りなくなったら翌日から2営業日以内に追加する
- 信託したお金の運用先は、国債や預金などに限る
証拠金10万円で、いま決済すると1万円の利益が出るとします(仮の例)。返すべき額は、利益を含めた11万円で計算します。1万円の損失なら、差し引いて9万円とすることができます。
いざというとき権利を使うのは、弁護士などの受益者代理人です。投資者保護基金(証券会社が加入する、補償のための基金)ではありません。投資者保護基金の記事で読んだ「店頭デリバティブは基金の補償の外」という線とそろっています。
前に見たとおり、DMM CFDには個別株CFDはありません。国内で個別株CFDを扱う会社は、国内の株式CFDの比較で並べました。
やること:株価指数CFDも、業者のページで信託保全の説明と信託先を確かめておく。
金や原油のCFDはどうなっている?

金・銀・原油・穀物などのCFDは、別の法律の決まりです。国内の店頭の商品CFDは、商品先物取引法の「店頭商品デリバティブ取引」に当たります。
扱う業者は、金融商品取引業の登録とは別に、商品先物取引業者としての許可を受けています。
この法律は、預かった財産(お金など)を、業者自身の財産から分けて守るよう定めています。方法は、信託会社などに信託することをはじめ、国の細かい決まり(省令)で定めるものです。どれになるかは、お客さんが個人か法人かで分かれます。
| お客さん | 守り方 |
|---|---|
| 個人 | 信託。受益者代理人に弁護士などを1人以上。足りなければ翌日から2営業日以内に追加 |
| 法人など | 名義で分かる預金・金銭信託などのうち、どれか |
個人の証拠金は信託だけ、という点で、FXと同じ考え方です。
仮の例です。金のCFDに10万円を預けたのが個人なら、守り方は信託です。会社などの法人の口座なら、同じ10万円でも、業者は預金なども選べます。
やること:金や原油のCFDは、FXや株価指数CFDとは別の法律の決まりだと押さえておく(揉めたときの窓口も別。次の節)。
3つで違うのはどこ?

まず、同じところです。個人の証拠金は3つとも信託で、受益者代理人には弁護士などを1人以上選びます。足りなくなったら、翌日から数えて2営業日以内に追加する決まりです。
読者の側から見ると、「信託されているか」はどれも同じ答えです。違いが出るのは、次の2つです。
| 取引 | 法律の条文にある監査 | 揉めたときの窓口(DMMのページの表示) |
|---|---|---|
| FX | 同じ定めなし | FINMAC |
| 株価指数CFD・個別株CFD | 公認会計士・監査法人の監査(毎年1回以上) | FINMAC(株価指数CFDとして表示) |
| 商品CFD | この記事では確認していません | 日本商品先物取引協会 相談センター |
株価指数CFDなどの決まりでは、業者は定期に監査を受けなければなりません。分けて管理できているかを、公認会計士か監査法人が調べるものです。毎年1回以上、協会の規則に沿って行う決まりです。
FXの法律の条文には、同じ監査の定めがありません。商品CFDの側に外部の監査の定めがあるかは、この記事では確認していません。業界団体の自主ルール(自主規制規則)の中身も確認していません。
窓口は、苦情を受けたり、あっせん(間に入って話し合いをまとめること)をしたりするところです。DMMのページの表示では、FXと株価指数CFDはFINMACでした。商品CFDは、日本商品先物取引協会の相談センターでした。
仮の例です。同じ会社に、FXで10万円、金のCFDで10万円を預けているとします。どちらも信託ですが、この表示では、揉めたときの窓口が別々です。
やること:揉めたときの窓口は、取引の種類ごとに業者のページで確かめておく。
海外業者のCFDも守られている?

この記事の3つの決まりは、海外業者には当てはまりません。XMのような海外業者のCFDは、これらの決まりの外です。
決まりの向け先が違うからです。金融商品取引法の2つの決まりは、日本の登録を受けた金融商品取引業者などに向けたものです。
仮の例で、同じ株価指数CFDに10万円を預けるとします。国内の業者なら、この記事の決まりで、信託で管理することになります。XMのような海外業者なら、この記事の決まりは当てはまりません。
XMが自社の規約で資金の管理をどう書いているかは、信託保全の記事の後半で読みました。運営会社の整理は運営会社と規制当局の記事にあります。
やること:海外業者の口座があるなら、その会社の規約で、預けたお金の管理の書き方を読んでおく。
まとめ

- 国内の業者なら、個人の証拠金は3つとも信託(FX・株価指数CFDと個別株CFD・金や原油などの商品CFD)
- 元になる決まりは3つ。FXと株価指数CFDは金融商品取引法の別々の決まり、金や原油は商品先物取引法
- FXは細かい決まりで信託しか選べない。株価指数CFDなどは法律の本文が信託を義務づけ
- 3つとも、受益者代理人に弁護士などを1人以上、足りなければ翌日から数えて2営業日以内に追加
- 商品CFDは、個人は信託、法人は預金なども選べる
- 違いの1つ目は監査の定め。株価指数CFDなどは公認会計士・監査法人の監査が毎年1回以上。FXの条文には同じ定めなし、商品CFDは未確認
- 違いの2つ目は揉めたときの窓口。DMMのページの表示では、FX・株価指数CFDがFINMAC、商品CFDが日本商品先物取引協会
- 海外業者のCFDは、これらの決まりの外
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国内の登録業者を併用する、という選び方
このサイトは海外業者の取引条件を扱っていますが、国内の登録業者を併用するという選択もあります。国税庁タックスアンサー No.1521 の原則では、第一種金融商品取引業者または登録金融機関との店頭デリバティブ取引は申告分離課税で、損失を翌年以後3年に繰り越せます。この線がどこに引かれているかは総合課税の記事に書きました。
- MATRIX TRADER(JFX株式会社/関東財務局長(金商)第238号・第一種金融商品取引業)

- 【DMM FX】(株式会社DMM.com証券/関東財務局長(金商)第1629号・第一種および第二種金融商品取引業)

⚠ 実際にどちらの課税区分になるかは、取引の相手方が第一種金融商品取引業者または登録金融機関かどうかで決まります。上に書いた2社の登録番号と業務の種別は、金融庁「金融商品取引業者登録一覧」(令和8年7月31日現在)で確認しました。登録は取り消されることも、業務の種別が変わることもあります。最新は同じ一覧でご自身で確かめてください。また、国内業者には金融庁の規制により個人口座の最大レバレッジに上限があります。
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XMの株式CFDを試すなら
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XMTradingはTradexfin Limitedのブランドで、セーシェル金融サービス庁の規制を受けており、日本の金融庁の登録は受けていません(金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」に掲載)。デリバティブ取引には投資元金を失うリスクがあります。
出典・注記
- 金融商品取引法 第2条(有価証券指標の定義)、第28条第8項、第43条の2、第43条の3(e-Gov法令APIで取得・2026年9月20日)
- 金融商品取引業等に関する内閣府令 第140条の2、第140条の3、第141条、第141条の2、第142条、第143条、第143条の2、第143条の3(e-Gov法令APIで取得・2026年9月20日)
- 商品先物取引法 第210条(e-Gov法令APIで取得・2026年9月23日)、商品先物取引法施行規則 第98条の3(同・2026年9月20日)
- 株式会社DMM.com証券「安心・安全の信託保全 – DMM CFD」、DMM CFDのトップページとチャートのページ(2026年9月23日取得)。銘柄数は当方がチャートのページの銘柄を数えたもの
- 本文と条文の対応:FX=金融商品取引法43条の3(区分管理)。内閣府令143条1項1号(通貨関連と暗号資産等関連のデリバティブは、信託会社または信託業務を営む金融機関への金銭信託だけ)・2号(それ以外は、名義で保証金とわかる預金、金銭信託、カバー取引の相手方への預託など)、143条の2(信託の要件。受益者代理人のうち少なくとも1人は、条文では「弁護士等」)、143条の3(必要額の毎日の算定)/株価指数CFD・個別株CFD=同法43条の2(分別管理)2項(顧客分別金信託)・3項(公認会計士または監査法人の監査)、内閣府令140条の2(「対象有価証券関連店頭デリバティブ取引等」・顧客ごとの算定)、140条の3(評価損益の反映)、141条の2(信託の要件。受益者代理人は第1項4号・12号)、142条(分別管理監査・毎年1回以上・協会の規則に沿う)/商品CFD=商品先物取引法210条2号(顧客財産の分離保管等。「商品先物取引業者の固有財産から分離して信託会社等に信託することその他の主務省令で定める措置」)、同法施行規則98条の3第1項1号(個人=信託契約)・2号(個人以外=名義で明らかな預金、金銭信託、カバー取引の相手方などへの預託のいずれか)
- 株価指数CFD・個別株CFDが43条の2の側に入る理由:43条の3は、対象から有価証券関連デリバティブ取引と商品関連市場デリバティブ取引を除いています。金融商品取引法28条8項4号は、店頭デリバティブ取引のうち有価証券にかかわるものを並べています(4号ロ=「有価証券約定数値と有価証券現実数値の差に基づいて算出される金銭の授受を約する取引又はこれに類似する取引」)。同項6号は、3号から5号までの取引をまとめて「有価証券関連デリバティブ取引」と呼びます。「有価証券指標」は同法2条で、有価証券の価格や利率など、またはそれにもとづいて算出した数値と定義され、株価も株価指数も入ります
- 同じ43条の2の一般の規定(内閣府令141条)では、投資者保護基金に加入している証券会社の場合、受益権を行使する受益者代理人は投資者保護基金に限られ、差替えの計算は週1日以上の基準日、不足は3営業日以内です。店頭のCFDのための141条の2は、受益者代理人も期限も、FXの143条の2とほぼ同じ形です
- 信託が2万円足りない例、必要な額10万円・信託8万円、証拠金10万円と利益1万円(11万円)・損失1万円(9万円)、金のCFDやFX・株価指数CFDに10万円を預ける例は、説明のための仮の例です
- 本文のやさしい言い換え(「信託銀行などに預けて管理してもらう」「いざというとき、お客さんに代わって信託の権利を使う人」「株などの有価証券にかかわる取引」「取引所を通さないCFD」「証券会社が加入する、補償のための基金」「間に入って話し合いをまとめること」「業界団体の自主ルール」など)は、当サイトで書き添えたものです
- 商品先物取引法の側に、外部監査の定めがあるかどうかは本記事では確認していません。金融先物取引業協会・日本証券業協会などの自主規制規則の内容も確認していません
- 個別の業者が実際にどの条文にもとづいて、どの契約で信託しているかは、各社の契約締結前交付書面などで確認してください。本記事は条文の構造の解説です
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