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セミナーや、こちらから問い合わせた電話で、FX業者の営業担当に取引を勧められた。名刺の肩書は「コンサルタント」や「アドバイザー」。この人は何者で、その話は会社の話になるのでしょうか。
結論を先に書きます。業者のために勧誘をする役員・社員は、肩書に関係なく法律上は「外務員」で、業者が登録を受けなければなりません。外務員には、勧誘などについて会社に代わる権限があるとみなされます(事情を知っていた客は別)。違反すれば、登録の取消しや2年以内の職務停止を命じられることがあります。
営業担当の「コンサルタント」は何者?

法律上は「外務員」です。業者の役員・社員のうち、業者のために勧誘などをする人を、こう呼びます。
肩書は関係ありません。法律は「勧誘員」「販売員」「外交員」など、どんな呼び名でも問わないと書いています。
仮の例です。セミナーで、2人の担当者から名刺をもらったとします。肩書は「コンサルタント」と「アドバイザー」です。
2人が業者の社員で、業者のために勧誘をしているなら、どちらも外務員です。
「勧誘など」に入るのは、FXでいうと次のような取引です。
| 誘う取引 | FXでいうと |
|---|---|
| 取引所を通さない取引(店頭デリバティブ取引など)の申込みの勧誘 | 店頭FX・店頭CFD |
| 取引所の取引(市場デリバティブ取引のうち、株や債券など以外のもの)や、その勧誘など | くりっく365などの取引所FX |
| 有価証券(株や債券など)の売買などや、その勧誘など | 株や債券など |
登録の義務を負うのは業者の側です。業者は外務員の登録を受けなければならず、登録のない人に外務員の仕事をさせてはいけません。
やること:名刺の肩書ではなく、業者のために勧誘をしている人かを見る。
誰でも外務員になれるの?

なれません。法律は、登録を拒否しなければならない人を決めています。たとえば、次の人は5年たたないと登録できません。
| どんな人 | 登録できない期間 |
|---|---|
| 拘禁刑(刑事施設に入れられる刑)以上の刑を受けた人 | 刑の執行を終えてから5年 |
| 金融商品取引法などに違反して罰金刑を受けた人 | 罰金刑を受けてから5年 |
| 外務員の登録を取り消された人 | 取り消されてから5年 |
| 登録を取り消された業者の役員だった人 | 5年 |
仮の例です。外務員の登録を取り消されてから3年の人は、まだ登録できません。
ほかにも、破産して復権していない人は登録できません。復権は、破産で失った資格などを取り戻すことです。心身の故障で業務を適正に行えない人も同じです。
申請書にうその記載や、大事な事実の書き漏らしがあるときも、登録は拒否されます。
そして、2つの業者で同時に外務員として登録することはできません。ほかの業者などの外務員として、すでに登録されている人は登録できないからです。
仮の例なら、A社の外務員として登録中の人を、同時にB社の外務員として登録することはできません。
登録を申請するのは、外務員本人ではなく業者です。申請書には、外務員の氏名・生年月日や、役員か社員かを書きます。前に外務員をしていたなら、所属していた業者と期間も書き、履歴書なども付けます。
拒否する場合を除き、ただちに登録の名簿(外務員登録原簿)に載ります。業者には書面で知らされます。
法律の上で登録するのは内閣総理大臣です。ただし、登録の事務を協会に行わせることができ、その場合は自分では行いません。
金融先物取引業協会には、店頭FXを扱う46社が会員になっています(2026年8月31日時点)。この協会は、業務部が外務員の登録事務を担う、と説明しています。金融庁長官から委任された(任された)仕事です。
協会は、外務員の資格試験と更新研修も行い、外務員の規則を定めています。ただし、資格試験の合格が登録の条件になっているかなど、規則の中身はこの記事では読んでいません。
やること:担当者が外務員として登録されているか気になるときは、業者に尋ねる。登録の名簿をお客さんが直接見られるかは、この記事では確かめていません。
担当者の話は会社の約束になる?

勧誘などに関しては、担当者に会社に代わる権限があると扱われます。お客さんにとって、いちばん大事な決まりです。
法律の言葉では、外務員は「一切の裁判外の行為を行う権限を有するものとみなす」とされています。
「みなす」は、実際にどうだったかに関係なく、法律がそう扱うという意味です。「裁判外」なので、訴訟などの裁判の手続きは含みません。
たとえば、業者が社内の決まりで、担当者の権限を狭めていたとします。それでも勧誘などに関する行為なら、業者はお客さんに「あの社員には権限がなかった」とは言えません。条文の形から読むと、こうなります。
ただし例外があります。相手方が「悪意」だったときは、この決まりは使われません。悪意は法律の用語で、道徳的な悪さではなく、事情を知っていたという意味です。
やること:担当者の説明や約束が原因でトラブルになったら、業者に申し出る。FINMACの苦情相談とあっせん(話し合いの仲立ち)もある(FINMACの記事)。
「損を埋めます」と言われたら?

会社に代わる権限の決まりは、担当者の約束を何でも有効にするものではありません。たとえば、損を埋める約束です。
損失を補てんする(損を埋め合わせる)約束は、法律で業者に禁じられています。お客さんの側も、求めて約束させたり受け取ったりすれば、違反になります(システム障害と事故の記事)。
仮の例です。担当者に「10万円損をしたら、その分は埋めます」と言われたとします。こうした約束は、業者がしてはいけないものです。
担当者の勧誘には、ほかにも決まりがあります。たとえば、電話や訪問による勧誘の禁止などのルールです(不招請勧誘(頼んでいない人への勧誘)の記事)。
やること:損を埋める約束は、求めない・受け取らない。
違反した担当者や辞めた担当者は?

外務員が法令に違反したときなどは、登録の取消しか、2年以内の職務停止を命じられることがあります。処分の前には、聴聞(本人の言い分を聞く手続き)を行います。
処分を命じることができるのは、次のようなときです。
- 勧誘などの業務で法令に違反したとき。そのほか、外務員の仕事で著しく不適当な行為をしたと認められるとき
- 登録できない人に当たることになったとき。登録のときに当たっていたと分かったとき
- 退職などで登録が抹消された人について、過去5年以内の登録中の行為が、1つめに当たると分かったとき
登録の事務を協会が行う場合は、協会の会員の外務員について、取消しなどの処分も協会が扱えます。
金融先物取引業協会のサイトには「外務員の処分」のページがあります。所属会員名・当時の役職と、処分の内容(「職務停止6週間」など)が載っています。「職務停止11週間及び資格停止11週間」のように、資格停止が付く例もあります。
2026年9月24日に見たとき、いちばん新しい掲載は2009年12月10日の分でした。
担当者が辞めるなどして外務員の仕事をしなくなったときは、業者が遅滞なく(遅れずに)届け出なければなりません。氏名や生年月日、役員か社員かが変わったときや、登録できない人に当たることになったときも同じです。
登録は、退職などで仕事をしなくなったことが確認されたときなどに抹消(名簿から消すこと)されます。登録を取り消されたときや、業者が解散したり業務をやめたりしたときも同じです。
辞めた後の元担当者は、もうその業者の外務員ではありません。
やること:担当者が辞めたと聞いたら、その人はもうその業者の外務員ではない、と覚えておく。
海外業者の担当者も外務員なの?

日本の登録を受けていない海外業者なら、外務員ではありません。外務員の登録は、日本の金融商品取引業者など(日本で登録を受けた業者)の役員・社員の制度だからです。
そうした海外業者には、この制度がありません。その社員や紹介者は外務員ではなく、会社に代わる権限の扱いもありません。
登録を受けずに日本の居住者(日本に住む人)を相手にすることの扱いは、無登録営業の記事で読みました。
やること:海外業者の担当者や紹介者に誘われたら、その業者が日本の登録を受けているかを先に確かめる。
まとめ

- 業者のために勧誘などをする役員・社員は、肩書に関係なく「外務員」。登録を受けるのは業者で、登録のない人に外務員の仕事をさせてはいけない
- 拘禁刑以上の刑や、外務員の登録取消しから5年たたない人などは登録できない。2つの業者で同時に登録することもできない
- 登録の事務は協会が担える。金融先物取引業協会は、外務員の登録事務と資格試験・更新研修を行っている
- 外務員は、勧誘などに関して会社に代わる権限があるとみなされる。事情を知っていた(悪意の)相手方は別で、裁判の手続きは含まない
- 担当者の約束が何でも有効になるわけではない。損を埋める約束は業者に禁止で、客も求めて約束させたり受け取ったりすれば違反
- 違反すれば登録取消しか2年以内の職務停止を命じられることがある。辞めれば登録は抹消
- 日本の登録がない海外業者には、外務員の制度も、会社に代わる権限の扱いもない
- 担当者の登録が気になるときは、業者に尋ねることができる
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国内の登録業者を併用する、という選び方
このサイトは海外業者の取引条件を扱っていますが、国内の登録業者を併用するという選択もあります。国税庁タックスアンサー No.1521 の原則では、第一種金融商品取引業者または登録金融機関との店頭デリバティブ取引は申告分離課税で、損失を翌年以後3年に繰り越せます。この線がどこに引かれているかは総合課税の記事に書きました。
- MATRIX TRADER(JFX株式会社/関東財務局長(金商)第238号・第一種金融商品取引業)

- 【DMM FX】(株式会社DMM.com証券/関東財務局長(金商)第1629号・第一種および第二種金融商品取引業)

⚠ 実際にどちらの課税区分になるかは、取引の相手方が第一種金融商品取引業者または登録金融機関かどうかで決まります。上に書いた2社の登録番号と業務の種別は、金融庁「金融商品取引業者登録一覧」(令和8年7月31日現在)で確認しました。登録は取り消されることも、業務の種別が変わることもあります。最新は同じ一覧でご自身で確かめてください。また、国内業者には金融庁の規制により個人口座の最大レバレッジに上限があります。
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XMTradingはTradexfin Limitedのブランドで、セーシェル金融サービス庁の規制を受けており、日本の金融庁の登録は受けていません(金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」に掲載)。デリバティブ取引には投資元金を失うリスクがあります。
出典・注記
- 金融商品取引法 第64条、第64条の2〜第64条の9、第29条の4第1項第2号、第2条第8項、金融商品取引法施行令 第17条の14(e-Gov法令APIで取得・2026年9月24日)
- 本文と条文の対応:外務員の定義と登録(「勧誘員、販売員、外交員その他いかなる名称を有する者であるかを問わず」)=金融商品取引法64条1項(店頭FX・店頭CFD=同項2号イ・ロ。店頭デリバティブ取引等は2条8項4号など/取引所FX=同項3号・施行令17条の14/株や債券など=同項1号)/登録のない人に外務員の職務をさせない義務=64条2項/申請書の記載事項=64条3項(業者の商号・名称と代表者の氏名、外務員の氏名・生年月日、役員か使用人かの別、外務員の職務をしたことの有無と所属していた業者・期間、金融商品仲介業などをしたことの有無とその期間)、履歴書などの添付=同条4項、登録と書面での通知=同条5項・6項/登録の拒否=64条の2第1項(1号=29条の4第1項2号イ〜リ、2号=外務員の登録取消しから5年、3号=他の業者などの外務員として登録中、4号=金融商品仲介業者などとして登録を受けている人)。申請書の虚偽の記載や重要な事実の記載漏れも拒否の理由/会社に代わる権限=64条の3第1項、悪意の相手方=同条2項/損失補てんの約束の禁止=同法39条/届出=64条の4(心身の故障は、そのおそれがある場合として内閣府令で定める場合)/登録の取消し・2年以内の職務停止=64条の5第1項1号〜3号、聴聞=同条2項/抹消=64条の6/登録事務を協会(認可協会か、78条の認定協会)に行わせること、協会の会員の外務員の取消しなどの処分=64条の7第1項・第3項/登録手数料は協会に納められ、協会の収入になる=64条の8
- 一般社団法人金融先物取引業協会「協会の概要」「協会の組織・業務」「定款・諸規則等」「外務員の処分」(いずれも2026年9月24日取得)
- 協会が定める外務員の規則は「外務員の登録等に関する規則」「外務員資格試験実施要領」です
- 処分の対象となった外務員の所属会員名は、本記事では挙げていません
- 登録原簿に載る内閣府令の事項、協会の外務員規則・資格試験の中身、外務員の登録の有無を顧客が照会できる仕組みは、本記事では確認していません
- 本文の「社員」は条文の「使用人」、「登録の名簿」は「外務員登録原簿」のことです。名刺の肩書の場面、登録取消しから3年の人、A社・B社、10万円の損の約束は仮の例です
本記事は法令と公表資料の一般的な解説であり、法的助言や投資判断、特定の業者の利用を勧誘するものではありません。記載は執筆時点の公開情報に基づきます。
