XMのゼロカットが適用されないことも?|マイナス残高リセットの条件

XMのゼロカットが適用されないことも?|マイナス残高リセットの条件

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「XMにはゼロカットがあるから、マイナスになっても大丈夫」と思っていませんか。XMの日本語のページでは、このしくみを「マイナス残高リセット」と呼んでいます。この記事では、その条件を規約そのものから読みます。

結論を先に書きます。規約には「必ずゼロで止まる」とは書かれていません。裁定取引(値段のずれをねらう取引)や濫用などの「疑い」があれば、業者の判断で適用しないことがあります。その場合、口座Aが−3万円なら、口座Bの5万円から埋められることもあります(仮の例)。

目次

マイナス残高リセットとは何のこと?

10万円を入れた口座が−3万円になり、リセットで残高が0円に戻る仮の例を、通帳の3コマで示した図。入れた10万円は戻らないことを添え、勝又がマイナス分は払わなくていいのかと確かめている

口座の残高がマイナスになったとき、マイナスになった分だけを守るしくみです。前の記事で、そう書きました。

仮の例で見てみます。10万円を入れた口座の残高が、−3万円になったとします。リセットされると残高は0円に戻りますが、入れた10万円は戻りません。

前の記事では、このしくみの「適用条件は未確認」としていました。今回は、規約そのものを読んで、そこを埋めます。

読んだのは、XMTrading公式サイトのいちばん下(フッター)からリンクされている文書です。Tradexfin Limited という会社のClient Agreement(取引の規約)です。全102ページの英文で書かれています。

規約の中での名前は、Negative Balance Protection(マイナス残高保護)です。

⚠ この記事の訳は、英語の原文を当方で訳したものです。正文(正式な文)は英語版です。争いになったときに効くのは、日本語の説明ページではなく、この規約のほうです。

やること:日本語の説明だけで決めず、規約に何と書いてあるかを確かめる。

「必ずゼロに戻る」と書いてある?

英文の規約(全102ページ)の紙の束に2つのはんこ。「保証する」には×、「目指す(aims to)」には丸がついている図。美咲が「必ず」ではないのかと驚いている

いいえ、書いてありません。規約は、マイナス残高保護をこう決めています(当方訳)。

マイナス残高保護とは、当社の取引口座に紐づくすべてのCFDについて、顧客の責任の合計を、その口座内の資金までに限ることをいう。

Tradexfin Limited, Client Agreement(当方訳)

CFDは、値動きの差額をやり取りする取引のことです。大事なのは「責任の限度」という言葉です。「損失をゼロにする」でも、「証拠金(取引のために入れたお金)を戻す」でもありません。

負う責任の上限が、口座のお金の額に置かれる、という意味です。仮に口座に10万円あれば、上限は10万円です。その10万円そのものは、なくなることがあります。

続く文では、XMは口座ごとにこの方針をとる、と書いています。限るのは、CFDの取引による最大の損失です。関連するコストも含めて、口座のお金の合計までに限ることを「目指す(aims to)」としています。

「目指す」は、約束(保証)の言葉ではありません。

やること:「目指す」を「必ずそうなる」と読みかえない。

リセットされないのはどんなとき?

業者の担当者の横で、虫めがねが取引の記録の紙を調べている場面。疑いがあれば適用しないことがあり、判断するのは業者だと示した図。勝又が疑われただけでと驚いている

同じ項の後半に、適用しないことがある場合が書かれています。業者の「合理的な裁量」(業者自身の判断)で、次のような兆候や疑いがあるときです。それは規約違反になる、とあります(当方訳・抜粋)。

  • 口座で、何らかの裁定取引が行われている
  • 濫用(しくみを悪用すること)
  • 他の人と協調した内部ヘッジ(反対の取引で損益を打ち消し合うこと)
  • 「マイナス残高なし」という方針の濫用

その場合、業者はマイナス残高保護を適用しない権利を持っておく(留保する)、と書いています。つまり、リセットされないことがある、ということです。

読み方のポイントは2つです。

  • 判断するのは業者——原文は「XMTrading’s reasonable discretion(当社の合理的な裁量)」です。当たるかどうかを決めるのは、お客さんの側ではありません
  • 「疑い(suspicion)」で足りる——確かな事実でなくても、兆候や疑いの段階で規約違反になる、と書かれています

同じ文には、別の口座のお金のことも書かれています。これは、このあとの見出しで見ます。

やること:疑われた段階でリセットされないことがある、と知っておく。

何が「濫用」か決まっている?

開いた規約の左のページに、書いてある言葉として「裁定取引」「濫用」「他の人と協調したヘッジ」の3つの札。右のページの「具体的な基準」の欄は空白で「記載なし」。美咲がどこからがだめなのかと問いかけている図

具体的な基準は、規約に書かれていません。規約が例として挙げているのは、次のような取引の形(パターン)です(当方訳)。

市場リスクを取ることや市場で取引すること自体に真の関心がなく、金銭的な利益のみを目的としていることを示す取引パターン

Tradexfin Limited, Client Agreement(当方訳)

市場リスクは、値動きで損をするかもしれない危険のことです。ただ、どの取引がこれに当たるのか、線引きは書かれていません。

世の中では、「複数口座での両建て」「指標発表の瞬間だけを狙う」などが言われます。両建ては、買いと売りを同時に持つことです。指標発表は、景気などの数字が発表されることです。

⚠ それがこの規約の「適用しない場合」に当たるかどうかは、この記事では判断しません。確かめられるのは、「業者の裁量で判断され、疑いの段階で適用されないことがある」という書き方までです。

やること:当たるか気になる取引があれば、業者の最新の規約を確かめる。

別の口座のお金で埋められることも?

口座Aの財布はマイナス3万円、口座Bの財布には5万円。濫用などの疑いがあれば、Bのお金がAのマイナスの穴埋めに使われることがある仮の例を矢印で示した図。城戸が別の口座のお金までかと驚いている

はい、そうする権利が書かれています。書かれているのは、前の見出しで見た「疑い」があった場合のところです。

その場合、業者は別の取引口座にあるお金を移す権利を持っておく、とあります(当方訳)。マイナス残高などの債務と相殺するためです。

債務は、払わなければならないお金のことです。相殺は、貸し借りを差し引きして消すことです。

仮の例で見てみます。口座Aが−3万円になり、口座Bには5万円あるとします。濫用などの疑いがあると、口座Bのお金が、口座Aのマイナスの穴埋めに使われることがあります。

ゼロカットが保証していないことでは、「証拠金は守られない」と書きました。「約定価格(取引が決まった値段)は守られない」とも書きました。規約を読んで、ここに2つ足します。

  • 「マイナス分」すら、いつも守られるとは書かれていない。業者の裁量で適用されないことがある
  • 別の口座のお金が、相殺に使われることがある。口座を分けていても、切り離されているわけではない

お金の管理は「口座に入れた総額」で考える、という前の記事の結論は変わりません。むしろ「複数の口座の合計」で考える必要があると、一段強くなります。

仮の例なら、口座Aに10万円、口座Bに5万円を入れたとき、考える額は合計15万円です。

やること:口座がいくつあっても、入れたお金は合計で考えておく。

ロスカットの水準は変わらない?

スマホの画面に証拠金維持率の縦のメーター。50%にマージンコール、20%にロスカットの目盛り。横のカレンダーには「随時 変わることがある」の付箋。凛がこの数字はずっと同じかと確かめている

変わることがあります。規約では、マイナス残高保護のすぐあとの条に、マージンコールとロスカットの決まりがあります。

そこには、取引のシステムが自動のしくみで動いているとあります。リスクの見張り、マージンコール、ストップアウト(ロスカット)の機能です。その水準は「随時(from time to time)」公式サイトで示される、とされています。

公式サイトの口座タイプのページにある数字は、マージンコール50%・ロスカット20%です。ロスカットは、取引が自動で決済されることです。マージンコールは、それより手前の水準です。

「随時」とあるので、この数字は変わることがあります。計算のしかたは証拠金維持率の読み方に書きました。

やること:50%・20%を決まった数字と思わず、口座タイプのページで今の数字を確かめる。

まとめ

電卓の画面に口座A10万円と口座B5万円の合計15万円(仮の例)が出ている図。お金の管理は口座ごとではなく合計で考えることを、美咲が確かめ、蓮が隣に立っている
  • XMのマイナス残高リセットは、規約ではNegative Balance Protection(マイナス残高保護)。決まりは「責任を口座のお金までに限る」
  • 書き方は「目指す(aims to)」。保証の言葉ではない
  • 裁定取引・濫用・他の人と協調したヘッジの「疑い」があれば適用しないことがある。判断するのは業者
  • その場合に別の口座のお金と相殺する権利も書かれている。お金は全部の口座の合計で考える
  • マージンコール・ロスカットは自動のしくみ。水準(50%・20%)は「随時」=変わることがある
  • ⚠ 何が濫用に当たるかの具体的な基準は規約に無く、この記事では判断しない

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XMTradingはTradexfin Limitedのブランドで、セーシェル金融サービス庁の規制を受けており、日本の金融庁の登録は受けていません(金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」に掲載)。デリバティブ取引には投資元金を失うリスクがあります。

出典・注記

  • Tradexfin Limited「Client Agreement – Terms and Conditions of Business」(XMTrading公式サイトのフッターからリンクされているPDF・全102ページ)第47条9項(Negative Balance Protection)および第48条(Margin call policy / Margin call level / Stop-out level)1項。2026年9月6日取得。正文は英語。本文中の訳は当方によるもの
  • 第47条9項の定義(原文):Negative Balance Protection: Means the limit of a client’s aggregate liability, for all CFDs connected to a trading Account with the Company, to the funds in that Account.
  • 本文の「目指す」は、第47条9項の続く文にある「aims to ensure」の訳
  • 第47条9項の後半(原文・抜粋):Notwithstanding the above, any indication or suspicion, in XMTrading’s reasonable discretion, of any form of arbitrage performed in your trading account … abuse … internal hedging in coordination with other parties and abuse of our ‘no negative balance’, constitute a violation of these Terms and Conditions. In such cases, we reserve the right, among others, NOT to apply our Negative Balance Protection policy and transfer any or all funds you may have in a different trading account to set-off the obligations (e.g., negative balance) …
  • 同(当方訳):上記にかかわらず、当社の合理的な裁量において、あなたの取引口座で何らかの裁定取引が行われている兆候や疑い、濫用、他者と協調した内部ヘッジ、当社の「マイナス残高なし」方針の濫用があれば、本規約違反となる。その場合、当社はマイナス残高保護を適用しない権利、および別の取引口座にある資金を、(マイナス残高などの)債務と相殺するために移す権利を留保する。
  • マージンコール50%・ロスカットレベル20%は、XMTrading公式サイトの口座タイプ各ページの仕様表による(2026年9月6日閲覧)
  • 「裁定取引」「濫用」の具体的な判定基準は規約に記載がなく、本記事では当てはめを行っていません
  • 本記事はTradexfin Limitedの規約に基づきます。Fintrade Limitedの規約は別文書であり、本記事では確認していません
  • 10万円・−3万円・5万円・15万円は説明のための仮の例で、規約にある数字ではありません。かっこ内の言葉の言い換えは、当サイトが書き添えた一般的な説明です

本記事は規約の一般的な解説であり、法的助言や投資判断、特定の業者の利用を勧誘するものではありません。規約は変更されることがあります。実際のお取引の前に、必ず提供業者の最新の規約をご確認ください。記載は執筆時点の情報に基づきます。

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