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改正資金決済法の経過措置が2026年12月1日ごろに第1段階を迎えます。海外業者に資金を置いている人にとっては、入金が不便になる話ではなく、出口の話です。
「引き上げるべきかどうか」は各自の判断ですが、判断の前に自分の口座で事実として確認できることは決まっています。4つあります。
前提となる制度の話は改正資金決済法の経過措置の記事に、XMの個別対応は入金履歴リセットの記事にまとめてあります。
① 入金経路の棚卸し

まず、自分がどの経路で入金してきたかを洗い出します。影響の受け方が経路ごとに違うからです。
| 入金経路 | 今回の規制との関係 |
|---|---|
| 国内銀行送金 | 国内の収納代行業者を経由するため、直接の影響を受ける |
| オンラインウォレット | ウォレットへの入金部分で国内銀行送金=収納代行を使っていれば同様の影響 |
| クレジット/デビットカード | 収納代行を経由しない。国際ブランドの決済網 |
| 暗号資産 | 収納代行を経由しない |
「国内銀行送金」は、海外の口座へ直接振り込んでいるように見えて、実際は国内にある収納代行業者の口座へいったん入る仕組みです。手数料が安く着金が速いのはこの構造のためで、規制がかかるのもここです。
② 出金ルールの型を確認する

多くの海外業者は「入金元へ返金する」という原則を採っています。入金額に達するまでは、入れた経路と同じ経路にしか出せません。マネーロンダリング対策上の要請です。
この原則の下では、経路が止まると、その経路で入れた分が出口を失います。そして業者ごとに対応が割れています。第三者メディアのMyforexが2026年7月6日時点で調査した主要10社では、次のように分かれていました。
- Milton Markets — 国内銀行送金を停止済み
- Axi — 入金履歴をリセット。暗号資産での出金が可能に
- XMTrading — 入金履歴をリセット(2026年6月30日以前の入金分・1回限り)
- XS.com — 出金方法の変更について個別相談
- Exness / FXGT / ThreeTrader / Titan FX — 「入金時と同じ方法で出金する」原則を維持
自分が使っている業者がどちらの型かは、出金画面で選べる方法を見れば分かります。暗号資産やウォレットが選べる状態なら紐付けが外れており、国内銀行送金しか選べないなら残っています。
③ 未返金の入金額を把握する

「入金元へ返金する」型の業者では、入金額のうちまだ返金されていない分が、実質的に拘束されうる金額です。
ここで効いてくるのが勝ち負けです。負け越している口座ほど、未返金の入金額が大きく残ります。利益が出ている口座は入金額をすでに返金し終えていることが多く、超過分は比較的自由な経路で出せます。逆に、入金して減らしている口座は、その減った資金を出すのに元の経路が要ります。
XMが2026年7月に入金履歴のリセットを実施したのは、まさにこの層への救済です。ただし対象は6月30日以前の入金分で、1回限りと明記されています。
④ 代替経路が使えるか

出金画面で、国内銀行送金以外に何が選べるかを確認します。多くの業者では暗号資産・オンラインウォレット・カードへの返金が並びます。
ただし暗号資産が一律に有利というわけではありません。次のコストとリスクが乗ります。
- 国内取引所からの送金手数料と、ネットワーク手数料
- 送金中の価格変動(ステーブルコインでも為替と乖離しうる)
- アドレス・ネットワークの選択ミスによる資金消失(取り違えると復旧できない)
- 国内取引所での売却時に、別途の損益計算が生じうる
経路を変えることは、コストの種類を変えることでもあります。どちらを取るかは残高と頻度によって変わります。
誤解しやすい点:出金と課税は別

「出金しなければ課税されない」という理解を見かけますが、これは誤りです。
国税庁のタックスアンサー No.1521 は、課税対象を「差金等決済により生じた損益」としています。つまりポジションを決済した時点で損益が確定し、課税関係が生じます。海外の口座に置いたままでも、出金していなくても、変わりません。
あわせて、国内業者と海外業者で課税方式が違う理由も、同じページに書かれています。しばしば「海外だから総合課税」と説明されますが、正確には所在地の問題ではありません。
平成24年1月1日以後、金融商品取引法上の店頭デリバティブ取引・市場デリバティブ取引は申告分離課税(所得税15%・地方税5%、加えて復興特別所得税)の対象です。ただし平成28年10月1日以後、第一種金融商品取引業者や登録金融機関以外との店頭取引は総合課税とされています。日本の登録を受けていない海外業者との取引は、この後者に当たる構造です。
損益通算にも差があります。同ページによれば、「先物取引に係る雑所得等」の金額どうしでは損益通算ができますが、それ以外の所得とは通算できません。引ききれない損失の繰越控除(翌年以後3年内)も、この申告分離課税の枠組みのものです。
根拠法令として、同ページは所法35・69、措法41の14・41の15、復興財確法13を挙げています。具体的な申告については税理士にご相談ください。当サイトは税務相談に応じることはできません。
まとめ

- 影響を受けるのは主に国内銀行送金の経路。カードと暗号資産は収納代行を経由しない
- 「入金元へ返金する」型の業者では、経路が止まると出口を失う
- 拘束されうる額は未返金の入金額。負け越しているほど大きい
- 暗号資産への切り替えはコストの種類が変わるだけで、一律に有利ではない
- 課税は決済時。出金の有無とは無関係
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出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1521「外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」(根拠法令:所法35、69、措法41の14、41の15、復興財確法13)
- 金融庁「令和7年資金決済法改正に係る政令の公布及びパブリックコメントの結果等について」(令和8年6月1日施行)/改正法附則2条
- XMTrading「【重要】国内銀行振込分の出金方針に関するお知らせ」(2026年7月1日実施)
- Myforex「主要海外FX業者の規制への対応状況まとめ」(2026年7月6日時点の調査)
本記事は制度の一般的な解説であり、投資判断や特定の取引を勧誘するものではありません。また税務相談に応じるものでもありません。個別の申告については税理士に、法令の解釈については専門家にご確認ください。記載は執筆時点の情報に基づきます。
