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海外の業者でCFDを取引している人のあいだで、「2026年12月に国内銀行送金が使えなくなる」という話が広がっています。根拠になっているのは令和7年(2025年)に成立した改正資金決済法です。
ただし、この「12月で終わり」という言い方は正確ではありません。法律の附則を読むと、期限は2段構えになっています。ここを取り違えると、慌てて資金を動かす必要のない場面で動かすことになります。一次資料に当たって整理します。
規制されるのは海外の業者ではなく「収納代行業者」

まず対象を取り違えないことです。今回の改正が規制するのはクロスボーダー収納代行を営む事業者であって、海外のCFD業者そのものでも、そこを利用する個人でもありません。
改正法は、国内から国外へ、または国外から国内へ資金を移動させる収納代行を、原則として為替取引に当たるものとして扱います。為替取引を業として行うには資金移動業の登録が要りますから、無登録のままでは続けられなくなる、という構造です。二以上の段階にわたる委託も対象に含まれます。
リスクが低いとされる次の類型は、内閣府令によって適用除外とされています。
- プラットフォーマーなど、金銭債権の発生原因の成立に関与する場合
- エスクローサービス
- 受取人との経済的一体性が認められる場合
- 他の法令が規律している分野での行為
「2026年12月」の正体は、無登録で続けられる期限

施行日は令和8年(2026年)6月1日です。関係政令は同年5月19日に閣議決定、5月22日に公布されています。
そのうえで、改正法附則2条が経過措置を置いています。ここが2段構えです。
- 施行日から6か月間は、登録を受けないまま当該業務を続けられる(=2026年12月1日ごろまで)
- その6か月のあいだに登録を申請した事業者は、申請への処分が出るまでのあいだ、施行日から2年を経過するまで営業を続けられる
つまり12月1日は「無登録のまま続けられる期限」であって、すべての収納代行が止まる日ではありません。期限内に登録を申請した事業者は、最長で2028年6月ごろまで業務を継続しうることになります。
逆に言えば、登録を申請しない事業者の経路は12月で止まります。どの経路がどちらなのかは外からは見えません。ここが実務上のいちばんの不確実性です。
なぜ国内銀行送金だけが影響を受けるのか

海外業者への「国内銀行送金」は、海外の口座へ直接振り込んでいるわけではありません。国内にある収納代行業者の口座へいったん入り、そこから海外へ渡る仕組みです。日本の銀行から国内の口座へ振り込む形になるので手数料が安く着金も速い、という利点は、この構造から来ています。
今回規制がかかるのは、まさにこの中間にいる事業者です。だからクレジットカードや暗号資産による入出金と、国内銀行送金とでは影響の受け方が違います。一部のオンラインウォレットも国内銀行送金の部分で収納代行を使っているため、同じ影響を受ける可能性があります。
業者の対応は割れている

第三者メディアのMyforexが2026年7月6日時点で主要10社を調査したところ、対応は分かれていました。同記事によれば、2026年7月の時点では多くの業者が国内銀行送金を継続しており、影響が本格化するのは猶予期間が終わる2026年末ごろと見られています。
- Milton Markets — 国内銀行送金を停止済み
- Axi — 入金履歴をリセット。暗号資産での出金が可能に
- XMTrading — 入金履歴をリセット(1回限りの特別措置)
- XS.com — 出金方法の変更について個別相談
- Exness / FXGT / ThreeTrader / Titan FX — 「入金時と同じ方法で出金する」原則を維持
「入金履歴のリセット」が意味を持つのは、多くの業者が入金と同じ経路でしか出金させないルールを持っているからです。国内銀行送金で入れた資金は国内銀行送金でしか出せない、という状態のまま経路が止まると、出口を失います。リセットはこの紐付けを外す措置です。
株式CFDを海外で建てている人にとっての論点

個別株CFDを海外業者で取引している場合、この話は「入金が面倒になる」だけでは終わりません。ポジションを持ったまま出金経路が細ると、含み益を確定させても引き出せない期間が生まれうるからです。
判断材料として、少なくとも次の3点は自分の口座で確認できます。
- いま自分がどの経路で入金しているか(国内銀行送金か、カードか、暗号資産か)
- その業者の出金ルールが「入金と同じ経路」に縛られているか
- 未出金の元本がどれだけ残っているか(負け越していると、出金枠そのものが小さい)
そのうえで、暗号資産送金に対応しているか、複数の経路を持っているかを見ておくことになります。どう動くかは各自の判断です。当サイトは特定の行動を推奨しません。
なお、海外業者の利用そのものは違法ではない

混同されやすい点です。金融庁は「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」という一覧を公表しており、令和8年8月27日更新版には Tradexfin Limited(サービス名 XMTRADING、XMTrading) が、令和2年8月21日付の警告として、「インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの」と記載されています。
これは無登録で勧誘を行った業者に対する警告であって、日本の居住者がその業者を使うこと自体を禁じるものではありません。ただし、登録業者であれば適用される投資者保護の枠組みの外にいる、という事実は変わりません。トラブルが起きたときに国内の制度で救済される保証はない、という前提で使うことになります。
あわせて読む:海外口座の出金経路を点検する|2026年末までに確認しておく4つのこと
まとめ

- 規制対象は収納代行業者。海外業者でも利用者でもない
- 施行は2026年6月1日
- 2026年12月1日ごろは「無登録で続けられる期限」。登録を申請した事業者は最長2028年6月ごろまで続きうる
- 影響が出るのは主に国内銀行送金の経路
- 出金が「入金と同じ経路」に縛られている業者では、経路が止まると出口を失う。だから入金履歴のリセットが行われている
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出典
- 金融庁「令和7年資金決済法改正に係る政令の公布及びパブリックコメントの結果等について」(令和8年5月22日公布・6月1日施行)
- 改正法附則2条(経過措置。6か月+登録申請中は施行日から2年まで)
- 金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」(令和8年8月27日更新)
- Myforex「主要海外FX業者の規制への対応状況まとめ」(2026年7月6日時点の調査)
本記事は制度の一般的な解説であり、投資判断や特定の取引を勧誘するものではありません。法令の解釈・適用については、必要に応じて専門家にご確認ください。記載は執筆時点の情報に基づきます。
