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「個別株のCFDは海外業者でないとできない」と書かれているのを、よく見かけます。株式CFDは、国内ではできないのでしょうか。国内と海外の個別株CFDを、銘柄数・レバレッジ・税制の3つで比較します。
結論を先に書きます。個別株CFDは国内でもでき、海外との違いはレバレッジと税金です。株価200ドルの株1株分の仮の例なら、証拠金は国内5倍で40ドル、海外20倍で10ドルです。ただし耐えられる不利な値動きは、16%と4%です(必要証拠金ちょうど・ロスカット水準20%の単純計算)。
個別株CFDは国内の証券会社でもできる?

できます。「海外業者でないとできない」は誤りです。個別株CFDは、国内の証券会社でも取引できます。
個別株CFDは、1つの会社の株価の値上がり・値下がりの差額で、損益が決まる取引です。
しかも、銘柄数(取引できる株の数)では、国内のほうが圧倒的に多い会社もあります。くわしい数は、3つ目の見出しの表で見ます。
では、なぜ海外業者が選ばれるのでしょうか。理由は銘柄ではなく、レバレッジ(預けたお金の何倍の取引ができるかという倍率)です。その代わりに、税制の有利さを手放すことになります。
違いは、次の3つの軸で整理できます。
- 銘柄数 → 国内のほうが多い会社もある。IG証券が約12,000で、海外業者を大きく上回ります
- レバレッジ → 海外のほうが高い。国内5倍に対して、海外は20倍です。ただし20倍は、必要証拠金ちょうどなら、4%の不利な動きで取引が終わります(ロスカット水準20%の計算)。使い切れる倍率かは、別の問題です(XMの株式CFDの証拠金の記事)
- 税制 → 国内のほうが大きく有利。くわしくは4つ目の見出しで見ます
やること:「海外でしかできない」と見かけたら、まず国内の証券会社の取扱いを確かめる。
国内だとレバレッジは何倍まで?

国内のCFDは、金融庁の規制で、商品ごとに証拠金率の下限が決まっています。証拠金率は、取引する額に対して預けるお金(証拠金)の割合です。
この下限を裏返すと、レバレッジの上限になります。たとえば証拠金率20%なら、預けたお金の5倍(100÷20)までです。
| 種類 | 必要な証拠金(取引する額に対して) | レバレッジの上限 |
|---|---|---|
| 個別株CFD | 20%以上 | 5倍 |
| 株価指数CFD | 10%以上 | 10倍 |
| 商品CFD | 5%以上 | 20倍 |
| 債券CFD | 2%以上 | 50倍 |
国内で個別株CFDを、5倍を超える倍率で建てる(取引を始める)ことはできません。どの会社を選んでも同じです。会社の方針ではなく規制なので、比べても差が出ない項目です。
逆にいえば、海外業者が20倍を出せるのは、この規制の外にいるからです。サービスが優れているからではありません。
規制はレバレッジだけではありません。国内の株式CFDの証拠金は、法律にもとづく信託で保全されます。信託は、業者のお金と分けて預けておくしくみです。
根拠はCFDの証拠金はどの条文で守られるかで読みました。
「規制の外」が利用者にとって何を意味するかは、2本に分けました。1本目は金融庁「無登録業者」一覧の読み方です。その一覧に載っている業者を使う意味を書きました。
登録がないことは、税・紛争時の窓口・準拠法の3か所に効きます。準拠法は、契約にどの国の法律を使うかです。このしくみは、2本目のXMの運営会社と規制当局に書きました。
やること:国内の会社どうしは、個別株の倍率(どこも上限5倍)ではなく、ほかの点で比べる。
銘柄の数は国内と海外どちらが多い?

ここが、誤解されている点です。個別株CFDの銘柄数とレバレッジを並べます。
| 会社 | 個別株CFDの銘柄数 | レバレッジ |
|---|---|---|
| IG証券 | 約12,000銘柄 | 5倍 |
| サクソバンク証券 | 多数(世界の主要市場) | 5倍 |
| GMOクリック証券 | 154銘柄 | 5倍 |
| XMTrading(海外) | 1,313銘柄 | 20倍 |
※ 銘柄数は、各社および比較メディアの公開情報にもとづく2026年9月時点の整理です。取扱いは随時変わるので、必ず各社の公式サイトでご確認ください。
IG証券の約12,000銘柄は、XMの1,313銘柄のおよそ9倍です。日本株(任天堂、ファーストリテイリングなど)や米国株(NVIDIA、Amazon、Appleなど)を取り扱っています。欧州各国の株まであります。
ここで名前を出した株は取扱いの例で、売買を勧めるものではありません。
IG証券は、CFD全体では17,000銘柄以上とされています。
一方、GMOクリック証券の株式CFDは154銘柄と絞られています。株価指数や商品のCFDを中心にした品ぞろえです。
個別株を広く触りたいなら、IG証券かサクソバンク証券。指数や商品が中心なら、GMOクリック証券。そんな住み分けになります。
やること:取引したい銘柄があるかを、各社の公式サイトの取扱い一覧で確かめる。
税金は国内と海外でどう違う?

税制は、国内のほうが大きく有利です。国内の証券会社(日本の登録を受けた業者)なら、申告分離課税です。ほかの所得と分けて、決まった税率で計算するしくみで、税率は20.315%です。
日本の登録を受けていない海外業者だと、総合課税になります。給与などほかの所得と合わせて計算するしくみです。
| くらべる所 | 国内の証券会社 | 海外業者(日本の登録なし) |
|---|---|---|
| 税金の計算 | 申告分離課税 20.315% | 総合課税 |
| 損益通算 | できる | できない |
| 損失の繰越 | 3年 | できない |
損益通算は、ある利益と、別の損失を差し引くことです。損失の繰越は、その年の損失を翌年以降に持ち越して、利益から差し引くことです。国内なら3年繰り越せますが、海外業者ではできません。
仮の例で見ます。国内の証券会社のCFDで、1年の利益が50万円だったとします。税率20.315%なら、税金は101,575円(約10万円)です(経費などを考えない単純な計算)。
同じ50万円でも、海外業者なら総合課税です。給与などほかの所得と合わせて、税金を計算することになります。
根拠は、国税庁のタックスアンサー No.1521 です。国内の店頭デリバティブ取引(取引所を通さない取引)は、申告分離課税です。ただし、第一種金融商品取引業者や登録金融機関以外との店頭取引は総合課税とされています。
第一種金融商品取引業者と登録金融機関は、どちらも日本で登録を受けた業者や金融機関です。日本の登録を受けていない海外業者は、後者(総合課税)に当たります。線を引いているのは、取引の相手が日本の登録を受けているかどうかです。
詳しくは日経225の比較記事にまとめました。この線がどこに引かれているのかは、なぜ海外業者の損益だけ総合課税なのかで注記の条文まで追いました。
やること:海外業者を使うなら、総合課税になり、損失を繰り越せない前提で考える。
5倍と20倍で必要なお金はいくら違う?

「4倍も違う」と聞くと、大きく感じます。必要なお金で見てみましょう。株価200ドルの銘柄を、1株分持つ場合です(仮の例)。
| 持ち方 | 必要証拠金 | 耐えられる不利な値動き |
|---|---|---|
| 現物(1倍) | $200 | — |
| 国内CFD(5倍) | $40 | 16% |
| 海外CFD(20倍) | $10 | 4% |
※ 必要証拠金ちょうどを入れ、ロスカット水準20%の場合の単純計算です。ロスカットは、損が膨らんだとき、取引が自動で終わらされることです。ロスカット水準20%は、ここでは「口座のお金が必要証拠金の20%まで減ったら終わる」という条件です。
$40と$10の差は、30ドルです。1ドル150円とすると、1株あたり約4,500円です(仮の例)。
その約4,500円を節約する代わりに、耐えられる値動きが16%から4%へ、4分の1に縮みます。個別株が決算(会社が成績を発表すること)で4%動くのは、よくあることです。
つまり、必要証拠金ちょうどの20倍で建てるということは、決算をまたげないということです。決算をまたぐとは、決算の発表の前から後まで持ち続けることです。
「高いレバレッジが使える」ことと、「高いレバレッジで建てるべき」ことは別です。海外業者を選んでも、実効レバレッジを5倍に抑えて建てることはできます。実効レバレッジは、実際に入れた証拠金に対して何倍の取引をしているかです。
ただ、そうするなら、銘柄でも倍率でも、国内を選ばない理由は何も残りません。
そもそも現物株と持ち比べるなら、コスト・税・権利の3つで並べるのが早いです。株式デリバティブと現物株、どちらで持つかに整理しました。
やること:建てる前に、入れる証拠金で何%の不利な動きまで耐えられるかを計算しておく。
目的別に見ると、どう分かれる?

目的ごとに並べると、次のように分かれます。
- 個別株を広く触りたい → IG証券・サクソバンク証券(銘柄数で海外を上回ります)
- 株価指数や商品が中心 → GMOクリック証券
- 5倍を超える倍率をどうしても使いたい → 海外業者。ただし、総合課税・損益通算できない・損失を繰り越せない、を受け入れることになります
- 税負担を抑えたい・損失を繰り越したい → 国内の業者だけです。海外業者は総合課税で、損失の繰越もできないからです
海外業者を選ぶ場合は、税制のほかに、入出金と法規制の問題もあります。日本の金融庁の登録を受けていない業者は、投資者保護の枠組み(利用者を守るしくみ)の外にあります。
また、2026年末には入出金の環境も変わります。改正資金決済法の経過措置を、先に読んでおくことを勧めます。
やること:自分がどの目的に当てはまるかを決めてから、会社を選ぶ。海外業者を考えるなら、入出金の記事を先に読む。
まとめ

- 個別株CFDは国内でも取引できる。「海外業者でしかできない」は誤り
- 銘柄数は国内のほうが多い会社もある。IG証券の約12,000は、XMの1,313のおよそ9倍(2026年9月時点)
- 国内の個別株CFDは、金融庁の規制で一律5倍が上限(証拠金率20%以上)。会社では変わらない
- 海外の20倍は規制の外にいるから。その代わり、総合課税・損益通算できない・損失を繰り越せない
- 20倍は、必要証拠金ちょうどなら4%の不利な動きで終わる。使い切れる倍率かを先に計算する
レバレッジを優先して海外を選ぶ場合、XMの株式CFDの条件はこちらのページに整理しています。
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国内の登録業者を併用する、という選び方
このサイトは海外業者の取引条件を扱っていますが、国内の登録業者を併用するという選択もあります。国税庁タックスアンサー No.1521 の原則では、第一種金融商品取引業者または登録金融機関との店頭デリバティブ取引は申告分離課税で、損失を翌年以後3年に繰り越せます。この線がどこに引かれているかは総合課税の記事に書きました。
- MATRIX TRADER(JFX株式会社/関東財務局長(金商)第238号・第一種金融商品取引業)

- 【DMM FX】(株式会社DMM.com証券/関東財務局長(金商)第1629号・第一種および第二種金融商品取引業)

⚠ 実際にどちらの課税区分になるかは、取引の相手方が第一種金融商品取引業者または登録金融機関かどうかで決まります。上に書いた2社の登録番号と業務の種別は、金融庁「金融商品取引業者登録一覧」(令和8年7月31日現在)で確認しました。登録は取り消されることも、業務の種別が変わることもあります。最新は同じ一覧でご自身で確かめてください。また、国内業者には金融庁の規制により個人口座の最大レバレッジに上限があります。
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XMTradingはTradexfin Limitedのブランドで、セーシェル金融サービス庁の規制を受けており、日本の金融庁の登録は受けていません(金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」に掲載)。デリバティブ取引には投資元金を失うリスクがあります。
出典・注記
- 個別株CFDの証拠金率20%以上(レバレッジ5倍)、株価指数10%、商品5%、債券2%は、金融庁の規制および各社の取引ルールの公開情報による
- IG証券の個別株CFD約12,000銘柄・CFD全体17,000銘柄超、GMOクリック証券の株式CFD154銘柄は、各社および比較メディアの公開情報による(2026年9月時点)
- XMTradingの株式CFD1,313銘柄・最大レバレッジ20倍は同社の公開情報による
- 国税庁 タックスアンサー No.1521「外国為替証拠金取引(FX)の課税関係」
- 国内の株式CFDの証拠金の信託による保全は、金融商品取引法 第43条の2にもとづく
- 株価200ドル・1ドル150円・利益50万円は、説明のための仮の例です。必要証拠金と耐えられる値動きは、必要証拠金ちょうど・ロスカット水準20%の単純計算です。税金101,575円は、経費などを考えない単純な計算です
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