XMの国内銀行送金はいつまで使えるか|2026年7月の入金履歴リセットが意味すること

2本の帯が鎖でつながれているが、中央で3つの鎖の輪が断裂している図。入金経路と出金経路の紐付けが切れることを表している

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XMTradingは2026年7月1日、国内銀行送金などで入金した分について入金履歴のリセットを実施しました。「これで国内銀行送金の問題は解決した」と受け取られがちですが、告知を読むと効くのは過去分だけです。

むしろ重要なのは、7月1日以降に入金した分は元のルールに戻るという一文のほうです。ここを読み飛ばすと、いま入金した資金で同じ問題を作り直すことになります。

目次

前提:XMの出金は「入金元へ返金する」ルール

入金額の内訳がそのまま出金の割り当てになることを、比率で分割した1本の帯で示した図

XMに限らず多くの海外業者が採っている原則です。マネーロンダリング対策上、入金した経路と同じ経路にしか出金させない(正確には、入金額に達するまでは入金元へ返金する)という建て付けになっています。

この原則の下では、国内銀行送金で入金した資金は、原則として国内銀行送金でしか戻せません。つまり国内銀行送金という経路が細ると、その分の資金が出口を失います。とくに負け越している口座では、入金額に対する未返金分がそのまま拘束されることになります。

XMがやったこと(2026年7月1日)

2026年6月30日以前の入金だけが履歴リセットの対象になることを、時間軸上の帯で示した図

XMの告知によれば、2026年6月30日23:59(GMT+3/日本時間7月1日05:59)までに上記の方法で入金され、取引口座に反映済みの資金は、「入金元へ返金する」方針の適用対象外になりました。過去の利用残高が実質的にリセットされ、出金の経路を選べるようになった、ということです。

XMが「一度限りのリセット調整措置」と呼ぶこの変更の対象は、次の4つです。英語表記が併記されているため別物のように見えますが、日本で使われている決済手段そのものです。

  • Local Bank Transfer(国内銀行振込
  • Local Transfer(スマートピット
  • Online Bank Transfer(ペイジー
  • JCBカード

逆に、変更が適用されないのはクレジット/デビットカード(JCBを除く)、暗号資産、電子ウォレット(Bitwallet・BXONE)です。これらはもともと入金元へ返せるため、今回の措置の対象外です。

見落とされがちな「出金優先順位」

出金が上から順に割り当てられていく優先順位を、同じ大きさの受け皿4段で示した図

同じ告知には、複数の入金方法を使っている場合の処理順が明記されています。ここはあまり紹介されていませんが、実務上いちばん効く規定です。

  1. クレジット/デビットカード
  2. 暗号資産
  3. 電子ウォレット と 国内銀行振込(この2つは同順位

優先順位が高い方法での返金が全額完了して初めて、次の方法での処理に進めます。つまりカードで入れた分が残っていると、先に暗号資産で出す、という順番は選べません。

また、入金総額を超える利益については承認済みの方法で出金申請できますが、クレジット/デビットカードは対象外と明記されています。利益はカードには戻せない、ということです。加えて「各方法には、それぞれ所定の返金可能期間が設定されている」ともあります。

XMはこの措置を「お客様の利便性および資金保護を優先的に考慮しながら、変化する金融環境への対応を継続するXMの取り組みの一環」と説明しています。

ただし「1回限り」と明記されている

横に並んだ5つの点のうち先頭の1つだけが色づき、措置が1回限りであることを示す図

告知には「国内銀行送金等による入金枠のリセットは今回1回限りの措置」とあります。そして続けて、「2026年7月1日以降の入金資金については、従来通り『入金元へ返金する』XMの出金ルールが適用されます」と書かれています。

整理するとこうなります。

入金した時期出金の扱い
2026年6月30日 23:59 まで(GMT+3)返金完了を待たずに暗号資産・オンラインウォレットで出金可(リセット済み)
2026年7月1日 00:00 以降(GMT+3/日本時間06:00)従来どおり。入金元へ返金する原則が適用される

つまり今回のリセットは、過去に積み上がった紐付けを一度だけ外す救済であって、制度そのものが変わったわけではありません。

いま国内銀行送金で入金すると何が起きるか

入金・保有・出金の流れを3つの箱で示し、出金が入金元へ紐づく最後の段を強調した図

7月1日以降に国内銀行送金で入金すれば、その資金にはまた「国内銀行送金でしか戻せない」紐付けが付きます。

一方で、その国内銀行送金という経路自体が、改正資金決済法の経過措置によって不確実になっています。経過措置は施行日(2026年6月1日)から6か月、つまり2026年12月1日ごろで第1段階が切れます。登録を申請した収納代行業者は最長2028年6月ごろまで続けられますが、申請しない事業者の経路はそこで止まります。どの経路がどちらなのかは外からは見えません。詳しくは改正資金決済法の経過措置についての記事にまとめました。

この2つを重ねると、「経路が止まるかもしれない方法で入金し、その方法でしか出せない紐付けを作る」という構造になります。事実としてそうなる、という話です。どう扱うかはご自身の判断です。

自分の口座で確認できること

取引履歴の表を升目で表し、確認すべき欄が点在していることを示した図
  1. 出金画面でいまどの方法が選べるか。リセットが効いていれば、暗号資産やオンラインウォレットが選択できる状態になっているはずです
  2. 未返金の入金額がいくら残っているか。負け越しているほど、この額が出金の足かせになります
  3. これから入金するなら、どの経路を使うか。暗号資産で入れれば、暗号資産で出せます

なお、暗号資産での入出金には、国内取引所の送金手数料やネットワーク手数料、価格変動といった別のコストとリスクが伴います。国内銀行送金より一律に有利、という話ではありません。

まとめ

記事で扱った4つの論点が1本に集まることを示す収束の図
  • XMは2026年7月1日、2026年6月30日以前の入金分について入金履歴をリセットした
  • これにより、返金完了を待たずに暗号資産・オンラインウォレットで利益を出金できるようになった
  • ただし1回限りの措置と明記されている
  • 7月1日以降の入金は「入金元へ返金する」原則に戻る
  • 国内銀行送金の経路自体が、2026年12月1日ごろに第1段階の期限を迎える

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出典

  • XMTrading「【重要】国内銀行振込分の出金方針に関するお知らせ」(2026年6月30日付・パートナー向け通知の原文)
  • Myforex「XMが国内銀行送金の『負け越し出金問題』についに対応!入金履歴リセットを実施」(2026年7月2日)
  • 金融庁「令和7年資金決済法改正に係る政令の公布及びパブリックコメントの結果等について」(令和8年6月1日施行)
  • 改正法附則2条(経過措置)

本記事は制度と各社の公表内容に関する一般的な解説であり、投資判断や特定の取引を勧誘するものではありません。取引条件は変更されることがあります。実際の手続きの前に、必ず各事業者の公式情報をご確認ください。記載は執筆時点の情報に基づきます。

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